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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1321/1598

15-39 誰か止めて!


聞いてナイぞ、どうなっている。


琅邪ろうやは小国で貧しくて、奴婢ぬひの子を崇めるバカの集まりだろう。なのに、なのに何なんだ。




「ジニダグナイ。」


一思いに殺せ。


「ミズゥ。」


のどが焼ける。




猛毒『紫煙むらさきけむり』は儺国兵なのくにのつわものに殺され、人のときに戻ったおにからイロイロ教わる事で完成した。


密入国者や不法滞在者で生体実験を繰り返し、解毒剤も完成済。




「毒が広がるのを止められれば、もっと使えるのに。」


「あら、出来るわよ。新しいので試しましょう。」




この姉弟、控え目に言ってコワイ。


犯罪者とはいえ薬漬け、いや毒漬けにしてから殺処分。むくろを切り刻んでイロイロ確認し、腐敗速度を観察。オシマイ。



なワケが無い。被験者の骸を熊に食わせ、残留毒の濃度を確認。モチロン部位ごとに。


熊さん、逃げて!




「姉さん、ありがとう。これで心を傷めず、バンバン使えるよ。」


水の力で足止めし、風の力で壁を作る。でポイッ。


「良かったわ。」


良いのかミチ。イオを、弟を大量殺戮神にしたんだゾ。






「ねぇ吉弥きぬ。新しいの、どうしましょう。」


野生のぶが首をかしげる。


「そうだなぁ。ヨシ、食うか。」




吉弥は悪意察知能力と思念伝達能力を持つ鬼。


儺国の要求を拒否した夜、国を急襲され死んだ民の魂が融合。人の悪意を糧に生きていたが生き神が現れ出たと知り、琅邪女王ろうやのめのうに救いを求めた。



琅邪では空腹を満たせないので、儺の外れに建てられた野繆分社のもくのわけやしろを任されている。




「エッ、良いの?」


「食うのは人を恨んで、悪い事をする心だ。」


「んっと、良い人になっちゃうよ。」


「そうか、そうだな、アハハ。」




問答無用で捕らえられ、キツク縛られた犯罪者たち。


縄がキリキリと体に食い込み、息をするものツライ。そんな状態でトンデモナイ事を聞かされ、死を覚悟した。




「あら、まだ残っていたのね。」


「うん、試そう。」


大陸おおおかに戻すの?」


「そうだよ。耶万やまは一人だけ戻したけど、これだけ戻せばウンと減らせる。」


「フフッ、そうね。そうしましょう。」






耶万に仕掛ければ闇の種を植えられ、一人だけ戻される。琅邪では余りに毒を仕込み、思考操作されてから戻される。


アコにはてるが憑いているし、人のおさとして考えるのでギリギリのトコロで踏みとどまれる。


一方、この姉弟。混ぜるな危険の劇物だ。






「では、直ぐに舟を。」


儺升粒なしょぶぅ。


「手伝いましょう。」


夛芸たぎぃ。


「オイっ、寝るな。」


夜飛やと仁王立におうだちでやからを見下ろす。


「悪い事するからだよ。」


吉舎きさ、とっても嬉しそう。


「頼もしいわ。」


・・・・・・誰か止めて!


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