表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1315/1595

15-33 ソコまで言いますか


杵築大社きづきのおおやしろの使い兎は覚えていた。稻羽いなばがフラフラしながら溜息をき、遠い目をしたらアブナイと。


木俣社このまたのやしろからイロイロ届くし、モサモサする事が多くなっている。このままではいづれ、また。




「いぃやぁぁ。」


兎チャンず、絶叫。


「稻羽さまが居なければ、この大社は。」


大社は?


「兎のむくろで埋め尽くされますぅ。」


ソコまで言いますか。




稻羽の優秀さは人のときはモチロン、おにの世にもとどろいている。人の世、大蛇社おろちのやしろから『使わしめに』と望まれれば。




「稻羽さま、行かないで。」


部下に囲まれた。


「隠の世でも人の世でも、喜んで御供します。」


退職する気マンマン。


大実山おおみやまの保ち隠は、御隠れ遊ばした大実神おおみのかみの。」


いえいえ人の世、良山よいやま御坐おわしますヨ。


「夜の鳥、でしたか。」






ヘグは大実神に仕えていた元、使わしめのふくろうの隠。山で暮らしていた人が村を捨て、離れたことにより放たれ、保ち隠に転職。



人の世と隠の世にある良山は大実社を介して繋がっており、他より小さいが清らな地。近くに妖怪の墓場があり、住隠が当番制で管理している。


治めの隠も使い隠も居ないが、大蛇社の御膝元。問答無用で浄化されるので、悪さするヤツは居ない。






「コレ、離さんか。」


モフモフにグイグイされ、スゴイ事になっている。


「これから向かうのはしづめ西国にしくに琅邪ろうや。」


儺に取り込まれた琅邪が、儺国王なのくにのきみの首をげ替えた。


「儺国と、いえば。」


モフモフず、パチクリ。


「他とは違う妖怪が王として、人を従えているトカ。」


琅邪女王ろうやめのう王弟おおとは鬼、琅邪大王ろうやおおきみは半鬼。


いくさを終わらせた、とも聞く。」


はい、終わらせました。






もふもふズから解放された稻羽は、木俣社に顔を出してから響灘ひびきなだを越えた。神在かみあり団子を持って。




まこと、だったか。」


遠目から儺升粒なしょぶを見て、半鬼であることを確認。


「言の葉を操る兎、か。」


イオが微笑む。


「エッ。」


背後を取られた!


「おめ。」


ミチまで現れ稻羽、大パニック。




首の後ろをヒョイをつままれ、赤い目を点にしたままプラァン。直ぐに尻を支えられ、ホッと一息。


ミチはイオと違い、兎の扱いに慣れていた。




「兎さま。」


ピクン。


「琅邪女王、卑呼女ひこめで御座います。」


アッ。


「杵築大社より参りました。大国主神おおくにぬしのかみの使わしめ、稻羽です。」


ペコリ。






琅邪女王、卑呼女と王弟、卑呼男ひこおは生き神。琅邪大王、儺升粒は半鬼で社の司でもある。


社憑きや継ぐ子が居ると聞いてはいたが、その数が多過ぎた。



儺国に滅ぼされ、儺国兵なのくにのつわものに殺された人。その隠が他の隠と融け合い、妖怪になったと知り頭をかかえる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ