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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1314/1595

15-32 戻るから


儺国なのくにを支配した琅邪ろうやに、しづめ西国にしくにの十王が表敬訪問。連れてきた護衛は一人、二人。


皆、王と同じぜんだと知らずに平らげた。




「琅邪は豊かだなぁ。」


大王おおきみには、どんなモノが出されたのだろう。


「生まれ育った地から離れられないし、離れたいとも思わない。けど、暮らし易そうだな。」


うんうん。






十王に出された膳は皆、同じ。



吉舎きさは育ち盛り。大人と同じだけ出されたが、残さずペロリと平らげた。湯に浸かり、清め水をゴクゴク飲んで水分補給。


寝る前に用を足し、毛皮を被ってスヤスヤ夢の中。




「・・・・・・子だ。」


ココは琅邪。他の大王と一緒でも、安心して眠れます。


「寝るか。」


あんなに重かった体が軽くなったのは、琅邪とに決して仕掛けない。攻め込まないと誓った時。


「そうだな。」


おのの体に何が起きたのか、考えても分からない。けれど生き残った。それで良いじゃナイか。






鎮の西国が、いくさ好きの集まりが変わった。と言って良い。


子が儺国王なのくにのきみになったと聞き、酷く驚いたがナンテコトはナイ。あの小鬼は化けるぞ。いつの日か鎮の西国を統べる、大妖怪になるだろう。


今から楽しみだ。




ぬらりさま。」


「おっとイケナイ、気を引き締めなければ。」



琅邪女王ろうやのめのう王弟おおとは鬼、琅邪大王ろうやのおおきみは半鬼。ソレを隠す事なく堂堂と暮らしている。


鎮の西国から奴婢ぬひ卑呼ひこ制度が廃止される日も近い。そんな気がする。



大陸から便りが届いた。琅邪大王に会いたいから、どんな手を使っても会わせろだ? ケッ。モチロン握り潰してやったさ。


甘いぞ、大陸妖怪。




「お待たせしました。」


大国主神おおくにぬしのかみの使わしめ、稻羽いなばがタッタと現れた。中の西国も落ち着いたが、赤い目がギンギンになっている。


「会って伝えたい事とは。」






やったぁ! やっと、やっとグッスリ眠れる。


休みを取って一山いちのやまに、は行けないか。日御碕ひのみさきに行こうかな。ワクワク。




「稻羽よ。ワクワクしているトコロ悪いが鎮の西国、儺国の外れに在る琅邪へ。琅邪社ろうやのやしろへ使いを、だな。」


後ろ足をタシタシするの、当たり前だよね。


ひょうおさ、滑から話を聞いて。」


ゴクリ。


神議かむはかりに、ね。」






有給たまってるんだから休ませて! なんて声が聞こえてきそう。この時代に有給休暇なんてナイけど、たぶんナイけど思うのよ。


・・・・・・疲れてる、のかな。うん、戻ろう。






「わかりました。先触れを出し、向かいます。」


キリリ。


「うむ、頼む。」


ドキドキ。




瓢の長、滑から報告を受けた稻羽が琅邪に向かう。それダケの事なのに。




「稻羽さま! お願い。行かないで。」


大社おおやしろの使い兎に囲まれ、身動き出来ない。


「戻るから。務めを果たしたら戻るから、美味おいしい草を持って戻るからぁぁぁ。」


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