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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1306/1594

15-24 忍びじゃなくても


琅邪ろうやには失われた毒が、使っても分らない毒が有る。そんな話がしづめ西国にしくにダケでなく、中の西国にも伝わった。




「怖いねぇ。」


ポリポリ、モグモグ。


「恐ろしいねぇ。」


パリパリ、モグモグ。


「調べに行く?」


・・・・・・ゴックン。




霧雲山の統べる地で暮らす忍びは結び、アチコチで仕入れた情報を共有。社を通して繋がる事もある。他の忍びは基本的に結ばず、隠れ里から依頼主の元へ。


アレコレ伝えあうのは同じ里で修行し、探るために離れた忍びダケ。




「琅邪から戻った忍び、居たか。」


パチクリ。


「いやぁ、覚えがナイなぁ。」


ウンウン。


「誰が行く?」


キョトン。




幾ら鍛え上げても、逃げ足が速くても死ぬ時は死ぬ。


とはいえ、忍びだって長生きしたい。柔らかい衣を着て、美味おいしい物を食べて、温かい家でグッスリ眠りたい。



『おはよう』と言ったら『おはよう』って返ってくる。出掛ける時『いってきます』と言ったら、『いってらっしゃい』って見送られる。『ただいま』って戻ったら、『おかえり』って出迎えられる。そんな暮らしを、幸せを感じたい。




「琅邪には近づかない。」


「うん。」


「そうしよう。」




話が纏まった。かしらから何を言われても、プイッとして逃げる。


命は一つ。強く言われたら『頭がドウゾ』と言って、ニコニコすれば良い。



おのが嫌だと思う事は言わない、させない。これ当たり前。忍びじゃなくてもシッカリ守ろう!






「また変わったのか。」


十王のうち、儺国王ろうやのきみだけコロコロ変わる。


「琅邪に仕掛けたんだろう。」


鎮の西国はモチロン、中の西国のきみも知っている。琅邪に手を出してはイケナイと。


「琅邪の神は生き神らしい。」


琅邪女王ろうやのめのう卑呼女ひこめは雨降らしのかんなぎ。軽いやまいなら癒せます。


重くなる前に、お越しください。






「ダズゲデ。」


儺国王が手を伸ばす。


「モヴ、ジマゼン。」


琅邪と結んだ里に押し入り、娘をさらって組み敷こうとした。直ぐに引きがされ、首を絞められる。


「ジニダクナイ。」


気が付けば暗く、狭いひとやに入れられていた。




『玉と根を取られ、なぶられるか。新しい薬を試すか。』そう言われ、つきを奪い取った。


毒だと知っていたら杯を取らなかった。女を抱けなくなっても、尻の穴に突っ込まれても死ぬよりは良い。




「グルジイ。」


腹が黒くなり、足の色が変わり、動かせなくなった。


「ガァザン。」


はたわたが腐ったのか、息をするのも辛い。


「ドォザン。」


目がかすむ。


「ゴ、メン・・・・・ナ・・・・・・ザイ。」


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