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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1302/1594

15-20 材料は揃った


琅邪社ろうやのやしろひょうおみげん饅頭まんとうを持って訪れた。


あんナシの本格派。






「思った以上に豊かだ。」


思わず呟く。


大陸おおおかの言の葉ですか?」


イオが微笑む。が、その目は鋭い。


「はイ。」


声が裏返った。






トップ会談の日程を決めた竜が戻ったのは、瓢を出た翌日の昼だった。


もう遅いからと引き止められ、琅邪ろうやに一泊。山海の珍味に舌鼓を打ち、一休みしてから温泉に入る。


ポカポカしたままグッスリ眠ったので、お肌プリップリ。



大陸の鬼は好戦的で吞兵衛のんべえ。醜悪な形相と自在な怪力で人畜に危害を与える怪物である。しかし琅邪の鬼は人だったからか、とても穏やかで優しかった。


儺呼山社なこやまのやしろと結んだのも、儺国王なのくにのきみや臣たちの暴走を阻止するため。






女王めのう王弟おおとは鬼、大王おおきみは半鬼と聞いた時は驚いたが、そうか。人として死ねば鬼になるのか。」


「はい。」






親漢儺王しんかんなおうの呼び名を与えられた王だ。したたか者だと思ったが、琅邪を儺から守るために海を渡ったダケ。


その間、琅邪を守ったのは姉弟。


女王は弟に守られながら民を導き、多くの命を救う。



瓢は鎮の西国、郡山にある妖怪の町。


条件付きで人のときの外れに『異なる国の民』として生きることを認められ、おにの世では無く人の世の外れ。闇が集まるが猫神の目が光っている地へ引っ越した。


もう後が無い。






「材料は揃った。会談前日から仕込み、当日に蒸すぞ。」


「ハイッ。」






儺呼山社なこやまのやしろは、いや儺呼山神なこやまのかみは酒に呑まれて琅邪社ろうやのやしろと同盟を結び、儺国王無力化計画に参加。


その後、友好関係を築くが、それは別の御話。



様子見する事無く早早に動いた瓢は、儺呼山社と結んだ琅邪社と友好関係を築く。


後に大社おおやしろ、というより稻羽いなばから『聞いてナイぞ』と叱られたがドコ吹く風。






「琅邪が在るのはしづめ西国にしくに。中の西国なら動けるが、どうしたモノか。」


チラリ。


大国主神おおくにぬしのかみ。」


「何だい、稻羽。」


キラキラキラァ。


「こちらを。」


スッと差し出されたのは隠の世、郡山に御坐おわす猫神からのふみ。ではなく神成山かみなりやまの暴れん坊、ながれからの文でした。


「ヒッ、引っ掻かれる。」


お猫サマは気紛きまぐれですが、手を出さなければ爪を出しません。






「おっ、大事おおごとだ。」


文の内容は『大陸から、叢闇むらやみしなが入るから気を付けてネ』というモノだった。


伯耆ほうき、いや穴門あなとに使いを。急ぎ、急ぎ向かわせよう。」


ガクガク、ブルブル。


「落ち着き為さいませ。」


「稻羽もな。」


後ろ足をタシタシする使わしめをソッと抱え、優しくナデナデ為さる。赤い目がスッと細くなり、使い兎たちが静かになった。


「やまとに持ち込まれる前に舟を鎮めれば、わざわいもたらす品は海の底。時は掛かるが清められ、朽ちるだろう。」


ニッコリ。


海神わだつみのかみからお許しをいただいてから、穴門と周坡すはに使いを。」


「そうだね。」


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