表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1300/1594

15-18 強い酒を


困った。どう見ても鬼だ。強い鬼だ。


人だった時、酷い扱いを受けたのだろう。恨み、いや憎しみを宿している。守りたい誰かを殺されたか、言えないような事をされたか。


・・・・・・もっと酷い事を?






「静かで、良い御山ですね。」


イオが微笑む。


「はい、ありがとうございます。」


長生ななりもニコリ。



その心は乱れに乱れ、考える事を放棄した。




儺国王を動くむくろにし、琅邪ろうやを裏から操る?


いやソレは良い。今すぐに始めてくれ、じゃなくて始めてください。お願いします。




「チュン。チュチュン、チュン。」 オマタセシマシタ。ナコヤマノカミノツカワシメ、チモリデス。


千声ちもりさま。お声が、その。すずめです。」


「チュン。」 エッ、ウワァ。


両の翼で頭をかかえ、冷や汗ドッバァ。濡れ雀にナリマシタ。




何だカンだで話が進み、琅邪社ろうやのやしろ儺呼山社なこやまのやしろは結ぶ。



鬼の同盟である。おにとき郡山こおりやま御坐おわす猫神にも報告済。


和山社なぎやまのやしろへの根回しもバッチリよ。






「鬼神か。」


八百万やおよろずの神の国である。鬼神が御坐してもオカシクないし、集いいまして議り為さるのを止められない。


「にしても何だ、この力は。」


人の世から出られないし、隠の世へも入れない。わざわいもたらされる事も無いのだ。暴れない、傷つけないから好きにすれば良い。


それダケの事。






闇が濃過ぎる。何でも多過ぎるのは、強すぎるのは良くない。


良く、良く考えて動かなければ、きっと恐ろしい事が起こるだろう。そうなる前に。




「いや、いいや落ち着け。」


生き神でも国つ神。


「ん? 女神の弟・・・・・・。」


月読尊つくよみのみこと素戔嗚尊すさのおのみこと


「ヒィッ。」






阿波岐原あわきのはらみそぎで、悪しき神として漂い出したのが、八十禍津日神やそまがつひのかみ大禍津日神おおまがつひのかみ


禊の最後に、両目と鼻を洗浄し現れ出られたのが天照大御神あまてらすおおみかみ月読尊つくよみのみこと素戔嗚尊すさのおのみこと






「尊い三柱は天つ神。」


スゥハァと息を整え、御考え遊ばす。





素戔嗚尊は海原あまはら天下あめのした・根の国の支配者とされるが性質は獰猛。


高天原でイロイロやらかし為さり、高天原から追放されて出雲国いづものくに簸川ひのかわ上流へ。


そこで八岐大蛇やまたのおろちを斬って群雲剣むらくものつるぎを得、天照大御神に献じ為さった。



出雲系神話の祖神おやがみとされ、子孫には大国主神も御坐す。


暴風神、農神、疫神として信仰され氷川神社、八坂神社などに祀られる、とても元気な神で在らせられる。






琅邪女王神ろうやのめのうのかみは国つ神。」


とはいえ、姉が神で在らせられるのは同じ。


「千声、夜鳥やとり。酒を。強い酒を集めておくれ。」


イオを八岐大蛇のようにグデングデンに酔わせ、その首を。と御考えですか?


「サルナシと葡萄で作った酒なら、こちらに。」


卑呼男ひこおことイオ、酒が入った瓢箪ひょうたんを持ってニコリ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ