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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
西国統一編
1288/1591

15-6 集中しよう!


しづめの十王が集まり、話し合う事になった。場所は中央にそびえる焼山やけやま






「若いな。」


筐国王かごのくにのきみが呟く。


いくさ、という話は聞きませんが。」


筑国王ちのくにのきみが微笑む。


やまいか何かが流れたのでしょう。」


熊国王くまのくにのきみが言い切った。






鎮の西国にしくに、南に位置する筐国かごのくに。その北東に筑国ちのくに、北西に熊国くまのくにが在る。


何れも儺国なのくにから遠く離れているので、琅邪ろうやに手を出さなかった。






「雨が降っても。」


分国王いたのくにのきみがポツリ。


「直ぐに止んでしまう。」


崎国王さきのくにのきみが続ける。


「困ったモノです。」


糟国王ぬのくにのきみが溜息をく。






筑国の北に分国いたのくに。熊国の北に崎国さきのくに、その北に糟国ぬのくにが在る。


先の三国同様、何れも儺国から遠いので手を出してイナイ。






「雨降らし。」


珂国王かのくにのきみがニヤリ。


「エッと、そうですね。」


儺国王なのくにのきみ、冷や汗ドッバァ。


「降レば、良いですね。」


岐国王きのくにのきみの声が裏返る。


大陸おおおかから入った品に『鳴らすと雨が降る』と言われるモノがありました。」


対国王ついのくにのきみ、頭をポリポリ。






儺国の南に珂国かのくに。糟国の北に岐国きのくに、その北に対国ついのくにが在る。


対国と珂国は、ずっと前の大王おおきみが『中の東国ひがしくにに手を出すな』と。その次の大王が『他に仕掛けるなら、死に絶える気で攻めろ』と言い残している。


それが語り継がれ、両国の目は内に向けられた。






「ホウ。その品、幾つ入ったのですか。」


珂国王、興味津津きょうみしんしん


「三つ入りましたが、全て中の西国へ。ウチに前のが一つ。よろしければ、お譲りしましょうか。」


「はい。お願いします。」






かつて早稲わさ近くの掘っ立て小屋で、八人の子が救い出された。


その中に珂国から攫われた長の娘、ミア。対国から攫われた兵頭のせがれ、カセ。儺国から攫われた王の末娘、ココが居た。



珂国の長と対国の兵頭は知らせを受け、急ぎ儺国に向かった。けれど引き返す。遠くから『父さん、国に戻って』と聞こえたから。


声にナラナイ声を上げた二人の父は従った。『あの子は死んでしまったが、遠くから見守っている』と。



珂国、対国ではキチンと語り継がれたが儺国は違う。


ココの兄、サミは好戦的だが引き際を見極める事に長けていた。若くして病に倒れる前からせがれに帝王学を叩き込み、立派に育て上げる。


問題は、その次。






「おや、儺国王。どうされました?」


顔色が悪い、なんてモンじゃない。真っ青を通り越して真っ白。


「いえ、その。お気遣い、ありがとうございます。」






十王の中で最も若いのが、即位ホヤホヤの儺国王。


ココは外交の場。年齢を言い訳にすれば十中八九じっちゅうはっく、失敗する。国益を損ね、いや損ねる。



今は琅邪問題より、十王会議に集中しよう!


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