14-73 困った時の
新王たち、イライラし過ぎてポックリ。死因は脳出血でも心臓発作でもナク毒。
「困るんだよね。」
いろんな忍び、大集合。
「やっと戦が終わったのに、また仕掛ける? 信じられないよ。」
うんうん。
「毒だってさ、難しいんだぜ。仕入れるの。」
真中の七国にも忍びが、居ましたが全滅。暗躍したのは中の西国の忍びたち。中の東国に仕掛けると、高確率で敗走します。
だから西へ、西へと向くんだよ。
「次のはシッカリしてると良いな。」
大きく頷く忍びぃズ。
七国王になった倭国王、大慌て。
いろいろサクッと片付けたかったのに、戻った使いが口を揃える。『大王が変わりました』と。
「どうなっている! どうして死ぬんだ。若いのに。」
戦を仕掛けようとして、処分されました。
「次のは倅か、大臣か。」
何れも忍びに。
「食べ物は。」
土が痩せているので、思うように育ちません。
「米、麦、粟、豆、黍。稗、蕎麦、芋ぉ。」
育つとイイね。
人が、民が減った。兵は戦場で、他は飢えたり弱って死んだ。病が流れてバタバタ死んで、その骸を啄む鳥が、獣が病を運ぶ。
戦は終わった、やっと終わった。なのにコチラの戦は終わらない。
臣から大臣、王から大王、大王から七国王になったのに、やっとココまで上り詰めたのに失うのか。
「南国、中の東国に断られ、中の西国にも断られた。」
四つ国、鎮の西国は頼れない。鎮の東国? 遠過ぎる。
「・・・・・・山。山の土を畑に、田に入れよう。」
フラァリ。
「大王。その、動ける人が足りません。」
目の下に隈が出来た大臣、断言。
笠国、駒国、剛国、瀬国、飛国、保国は深刻な食料不足に悩まされている。倭国だってギリギリ。
真中の七国を統べる王、七国王になったのだ。『その辺りに生えている草でも食え』なんて言えない。
「神様。戦の神様。どうか、どうか御力を。」
困った時の神頼み。
「ハッ。」
「し、寧楽神?」
使わしめカララ、キュルン。
「私は軍神では無い。御饌津神なのに人は、この地の人は覚えてイナイのか。」
思わず溜息を吐き為さる。
真中の七国に御坐す治めの七柱は、代替わり為さる度に使わしめに厳しく育てられる。戦より農業に興味を抱き為さるが、御考え遊ばす事は同じ。
「七柱で議るか。」
治めの七柱、集い座して神議り決定。
コロコロ変わる大王を何とか説得し、真中の七国を纏め上げた倭国王。と言いたいトコロだが問題が山積み。
頑張れ、倭国王。負けるな、倭国王。他力本願も結構だが、部下に責任を擦り付けて逃げるなよ。
見える、見えるぞ。毒を手に微笑む忍びの姿が!
努力、友情、成功は無理でも気合と根性で乗り切れ。それが王ってヤツさ。多分。
七国統一編でした。西国統一編に続きます。お楽しみに!