表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1281/1590

14-72 もう懲り懲り


闇が、闇が溢れ・・・・・・ない?




「どうなっている。」


プリプリ。


「何が起きた。」


イライラ。


いくさは、まだ始まらんのか。」


ムッキィ。






真中まなか七国ななくにを統べる王、七国王になった倭国王しずのくにのきみ。口の上手うまさには定評アリ。けれど『なぁなぁ』で話を決め、いや決めつける無責任男。


棚ボタでも勝利は勝利! 好んで事を荒立てるコトは無い。



つまり戦争しません。もうりデス。






「また持ち込まれたのか。」


六亀山むつかめやま御坐おわ狭間はざまの守神、甲山神こうやまのかみが御頭をかかえ為さる。


「はい。」


使わしめうり、涙目。






真中の七王は戦好き。倭国しずのくにが勝利したが、他の六王は諦めてイナイ。


倭国王を殺して、いや倭国を滅ぼせば良いと考えている。






「おや、まぁ。」


におの海に御坐す狭間の守神、鳰海神におうみのかみあきれ為さる。


「また持ち込まれました。」


使わしめすみ。特別仕様の浮巣うきすに闇喰らいの品を入れ、はらう気マンマン。






初代、七国王は『長生き』したい。が、いつか死ぬ。死ぬが『殺される』のも『毒に苦しめられる』のもイヤ。


孫に囲まれ、心穏やかに。なんて事を考えている。



はい、その通り。紛争も闘争も戦争もコリゴリ。平和が一番! 社会の安寧あんねいを乱すトカ、不穏ふおんな言動をとるトカありえません。


叢闇むらやみの品とか闇喰らいの品とか、もう要らない。見つけ次第、ポイポイします。






「困ったモノだ。」


二柱そろってゲッソリ。






多紀たき御嶽みたけ。満月でもナイのに、茶毛の兎がピョンピョン跳ねている。


両の前足には革の手袋が填められ、シュッシュと熱心に練習中。



近くで見守る烏天狗からすてんぐ、苦笑。少し離れた場所で狸、気絶。






「そぉれソレそれ、トリャァァ。」


ポスぽすポスぽす、モフン。


「ふぅ、スッキリした。」






多紀連山にも連日、持ち込まれてマス。それを祓い清めるのは、荒事あらごとにな御嶽社みたけのやしろ


祓うのは多紀山のテーマソグを歌うのが大好き、使わしめもり。荒事を好まぬ社憑き、喜知きち。兎に怯える社憑き、尾太おぶと






「起きろ、祓うぞ。」


喜知が尾太に声を掛け、軽く揺さぶった。


「ヒィッ。」






尾太は老夫婦に可愛がられていた兎を襲い、目の前で食い殺して狸汁にされた老狸。兎に恨みを持つ狸の隠と融合し、妖怪になった。


垨に仕掛けるも完敗し、社憑きとして働く事になる。






「御嶽神、お願いします。」


垨が微笑み、こうべを垂れた。喜知、尾太もならう。






御嶽神が清め為さった品は全て、大陸から持ち込まれた戦の具。集めたのはモチロン、御嶽の愉快な仲間たち。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ