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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1278/1593

14-69 見ない顔だな


空分社うつおのわけやしろ、いや空嶽うつおだけに辿り着いた鬼は少数派。その大半は真中まなか七国ななくにに散らばり、血みどろの死闘を演ずる。


最後の一鬼になるまで。






「父しゃん。」


幼子おさなごの目から光が消えた。


「ガリッガリじゃねぇか。」


小さなむくろかぶり付き、骨までしゃぶる。






アッチでもコッチでもバタバタと死に、鬼化したおにの記憶から闇が発生。ドッと倭国しずのくにに押し寄せた。


狙うは七国統一を果たした? 倭国王しずのくにのきみの魂一つ。






「一人は嫌だよぅ。」


「寒いよぅ。」


「寂しいよぅ。」






嬰児みどりごや幼子を飢えさせぬよう、親や兄姉は食べ物を与える。おのが弱っても、死んでしまうまで。


残された子は生きられず、動けなくなって後を追う。



根の国や空嶽へ行ければ良いが、数多あまたの神が御隠れ遊ばした真中の七国では難しい。


フラフラと彷徨さまよい、闇に吞まれてしまうから。






「あぁ、美味うまい。」


勢いよく噴き出す闇、漂う闇を吸収して巨大化。


「もっと。もっと。」


ドクン、ドクンと脈打つソレは怨霊。






真中の七国に蔓延はびこっていた闇は、光の雨になって大地を浄化。清らになった。


と思ったのに闇が噴き出し、溢れて広がり漆黒の闇に支配される。






「手始めに、そうだな。倭国王。ウゲッ。」


倭国王に取り憑こうとするもはじかれ、バンと叩きつけられた。


「エッ! 他のに、だと。」


既に呪われている事に驚愕きょうがく


「諦めな。ソイツの他も同じ、呪われてらぁ。」


お仲間が居た。


「ケッ、何だよ。」


出遅れたか。


「そうそう、聞いたか。海を渡って来た品の中に、持ち主を王にする闇が隠されてるって話。」


ナヌッ。


「体に目がイッパイついてる馬、いや牛か。ソレが捕まえたヤツが『テンゴク』、だったかな。」


「そうそう、テンゴクに連れて行くって。」






大陸からもたらされた呪物、吸鬼きゅうき白澤はくたくにより天獄てんごくへ。



どんなに闇を深めても取り込めない。天獄へ乗り込む術も無い。


・・・・・・諦めるか。






「ソレってさ、吸鬼って闇だろう?」


物では無く、闇なのか。


「詳しく聞かせてくれ。」


吸鬼の話を聞き興味を示す。


「見ない顔だな。」


テンゴクに居るキュウキに会いに行く。ゴク、行く。


心垢ごくだ。」






良いコトを聞いた。


吸鬼ってのは大陸から持ち込まれたかね、に憑いていた獣。何となく嫌な感じがしたので対国ついのくにで別れ、西を目指す。で捕まったのか。


気に入った。






「いつの日か取り込み、闇を統べる王になる。」


心垢が宣言したのをコッソリ聞いていた烏天狗からすてんぐが、心を静めてソッと飛び立った。


「早く、早く御嶽神みたけのかみに御伝えしなければ!」






御嶽みたけの社憑き、喜知きちが血相を変えて御嶽神に報告。


御嶽神から多紀神たきのかみ、多紀神から和山社なぎやまのやしろへ報告された。


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