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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1268/1593

14-59 あはは、うふふ


千砂ちさの妖怪の国守、モトは守りながら戦えない。


けれど闇の両縁を鋸歯に変え、対象の中心を狙う。ゴムのように伸ばして刺したり、戻す時に大きくして引き抜く事も可能。






「グハッ。」


細切こまぎれになった呪鉄じゅてつを、更に細かく刻むのは妖怪の祝、腰麻こしまのユキ。ふるっているのは闇を刃に変え、むちのように自在に操る闇の力。


「ばけ・・・・・・もの。」


挽肉ひきにくになってもしゃべれるナンテ、大したモノだ。






呪鉄がおのを切り取り、バラバラと散らして蒔く。ソレを集められるのはイイとミイだと、先見さきみの力が有る千砂のヨヨが言った。


『みんなで力を合わせて戦わないと、真中まなか七国ななくにから闇が溢れる。やまとを丸ごと呑み込んでしまう』とも。



叢闇鉄は耶万やま神倉ほくらに納められた叢闇剣むらやみのつるぎ、蛇谷の神倉に納められた叢闇鏡むらやみのかがみ、雫湖の神倉に納められた叢闇珠むらやみのたまと同等。


取扱注意ドコロでは無い危険物。細心の注意を払い、事に当たらねば。






「確かにバケモノだけど、傷つくわね。」


ユキが呟く。


「あら? ユラ。そんなに強くつつけば、袋が割れてしまうわ。」


「クベの闇だモン、破けないヨ。」


と言いながら尾でペシペシ。






妖怪に殺された魂が集まり妖怪化したユラは、蛇の姿をしているが光の中では生きられない。だから地に潜り、物影から出入りする。


空嶽は鬱蒼うっそうとしているので地表に出られるが、地に潜っている方が強い力を出せる。だからハラハラどきどき。






「ユラさま。そろそろ、よろしいでしょうか。」


良那らなの妖怪の国守、オトがニコリ。


「分かりました。」


テイッ。






オトは耳とカンが良く、闇をハリネズミのように立て、飛ばして戦う事が出来る。川に落ちて流れた分身体を残らず仕留めた。


ソレを回収するのは嗚山おやまの妖怪の国守、風を操る力を持つクウ。






「ゴヴォウヴォ。」 ウソダロォ。


蛇のペシペシ攻撃はミンチになった呪鉄を苦しめた。やっとんだと思ったら、ドバドバと追加注入。何がって? 加津の清め水です。


「ヴゴゴウヴォヴォ。」 シンジランネェ。


ドロッドロになっても諦めない。原形を留めない分身体が投入され、更に攪拌かくはんされても諦めない。諦められない。






「・・・・・・ありがとう。」


悪取神が戸惑い為さったのは、受け取ったソレがチョッピリ温かかったから。




特製袋に入れられたブツは、茶巾絞ちゃきんしぼり状態の呪物。叢闇鉄だったモノ。出来立てホヤホヤなので柔らかいケド、冷めれば固まりマス。


多分。



作戦に参加したのは会岐の国守フタ、その子ミイ。大石の国守クベ、その子ムゥ。嗚山の国守クウ。加津の国守ミカ、その子イイ。


腰麻の祝ユキ、闇蛇ユラ。千砂の国守モト、その子ヨヨ。良那の国守オト。揃ってニッコニコ。


笑って誤魔化している? あはは、うふふ。



その後、呪鉄はクベの闇に包まれたまま霧雲山の麓、石室の奥に隔離されました。悪取神と大貝神おおかいのかみの使わしめ、土の力で雁字搦がんじがらめにされてネ。


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