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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1257/1593

14-48 駒鳥だけど


七つの国から爆音が響き、突き上げるように揺らす。それから恐ろしいホド強い光の雨が降り、刺すように地を打った。




「コレはまた。」


多紀神たきのかみが御目をパチクリ為さる。




光の雨が地を打つ度、ヴォヴォヴォンと漆黒の砲弾が打ち上がる。バラバラと殺傷能力の高い破片が散蒔かれ、またヴォヴォヴォヴォン。




「ギョメンください。」


倭国しずのくにより寧楽神しずらのかみの使わしめ、カララが飛んできた。フラフラである。


「どう為さいました?」


駒鳥だけど千鳥足ちどりあし


「ワシャ、早稲わさから知らされたマギャタマ。勾玉まがたまが。」




早稲神わさのかみの使わしめ、さねは妖術に秀でた元、野狐である。早稲社わさのやしろの平和と安全を守るためなら、たとえ火の中、闇の中。



倭国には風見かぜみから贈られた勾玉があり、風見から倭国に流れたソレは闇喰らいの品。今も禍を齎し、真中まなか七国ななくにで人のむくろから鬼がボコボコ生まれている。


なんてコトまでサラリと報告。




「かじゃみ、風見の勾玉が。勾玉がぁ。」


ポスンと尻を付き、両の羽で頭を抱えた。


「カララさま、お気を確かに。」


「モモしゃま。」


こりゃ重症だ。羽の間から見える目が、分かり易く揺れている。




倭国王しずのくにのきみが持っていた闇喰らいの品が、生きて戻されたつわものに植えられた闇の種に反応。


恐ろしい勢いで急成長し、禍禍まがまがしい実がヴォンとはじけた。結果、倭国の強硬派を一掃。



矢のように降る雨に貫かれ、多くの人が動かなくなった。


死んではイナイ、生きている。けれど虫の息。悪いのを全滅させたのは良いが、このままでは冬を越せない。




「ウム。」


『捨て置け』なんて、言えナイよね。




ナゼだか分からない。けれど真中の七国では大王おおきみが死んでも、そのせがれが死んでも次の大王が直ぐに決まる。



決まるのは良いが、大王になるといくさ好きに変わるのだ。


やっと落ち着いたのに、またオカシクなった。



真中の七国が一つに纏まるのは良いが、倭国がしづめ西国にしくにや中の西国と渡り合うにはイロイロと足りない。


それを補うため、戦を仕掛けたり攻め込むのだろう。




「次のも同じか。」


「はい。」


恐らく。




倭国で浄化された闇喰らいの品は、もうわざわいもたらせない。他の国に有った悪いモノも浄化済。


何れ新しい大王が選ばれるが、それは少し先の話。




「どっかんドッカンと弾けたのだから、忘れたくても忘れられまい。」


その魂に深く、深ぁく刻みつけられたのだから。


「だと良いのですが。」


ずっと、ずぅっと同じ事が繰り返されてマス。だから、信じたくても信じられません。




ギュゥゥ、ヴォォン! ヴァチヴァチヴァチィ。ピッカァ。




「オヤオヤ、まだ残っていたのか。」


真中の七国は闇塗れ。次次に実り、弾けマス。


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