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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1255/1591

14-46 絶痛絶苦


光江の港は広い。


浜に朝日が当たり、キラキラ輝いた。真中まなか七国ななくにから送り込まれた男たちが、フラフラと立ち上がった瞬間。




「ヴッ。」


胸にトストスと、闇の種が植え付けられる。


「ギャッ。」


膝をつき苦しむ兵の中から七人、闇に落ちた。




高台から耶万やまの社の司、アコ。禰宜ねぎザク、祝人はふりとアサが冷たい目で見下ろし、溜息をく。


兵たちは闇の種を植えられて直ぐ、ポポンと葉が開き花を咲かせる。柱頭に顔が現れると叫び、罵り合う。花糸を伸ばして絡み合い、また叫ぶ。




「早過ぎるだろう。」


アコがポツリ。


「もう実を付けた。」


ザクが呆れる。


「そろそろ、かな。」


アサが開いた闇に飛び込み、衝撃に備えた。




ヴォォン!




アコ、ザク、アサ。照とマノ。耶万から派遣されているおみや民も無事。


けれど言い付けを破った光江の民は、耳がキィンとして聞こえなくなった。




ヴォヴォヴォヴォ、ヴォォン!




次次にはじける闇の実は禍禍まがまがしく、大きい。そんなモノが数万、同時に打ち上げられたらドウなるか。


考えるマデも無い。大災害だ。



大地がドドドと揺れ、家が崩れてペッシャンコ。地面に深く、長い裂け目が出来た。




ザァァァッ。




光江を襲った集中豪雨は、発光しながら傷ついた大地を修復。


闇が噴き出していた悦はモチロン、森に潜んで居たゴロツキまでシュワッと融かしてしまった。




「アァァァッ。」


生き残った七人、絶叫。




アコに闇の種を植えられ、各国一人を残して全滅。ソレを特等席で見せられたのだ。発狂してもオカシクない。


腰を抜かしたままジュワッと漏らし、頭を抱えたり首をブンブン横に振ったり、何かをブツブツ言っている。




「なぁアコ。アレ、急いで戻さなきゃ。」


「ザクさんの言う通り。舟だと戻る前に、ボンボン弾けますよ。」


「そうだね。アサ、頼めるかい。」


「はい。」


「イヤイヤ待て待て。どんなに強い祝の力が有っても、人の力では難しい。私も行こう。」


「ありがとうございます、マノさま。」


「ザク、アコを頼む。」


「はい、照さま。」




照がアコの肩からシュルリを下り、アサの腕に体を巻きつける。左肩に照、右肩にマノが頭を乗せた。



アサの体が淡い光に包まれ、フワリと浮かぶ。と同時に醜態を曝す七人の兵が姿を消し、真中の七国へ瞬間移動。


ポン、ポポンと放り出されてグニャリ。




「こ、こは。」



国に戻された兵は皆、泣きながら転がるように帰宅。帰る家の無い者は里や村、国の長に助けを求めた。


けれど酷く取り乱し、全く話が出来ない。


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