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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1244/1590

14-35 今の若いモンは


腹ペコ熊サンに襲われる事なく、大磯川を上がった。


つわものの数が多かったので大野、うねに別れて進む。




「しっかり休め。」


采のサゴ、兵を見下してニヤリ。


「はい。」


『言われなくても休むよ』と思いながら、腹から声を出した兵たち。疲れすぎて吐きそう。






うわぁ。加津と千砂ちさから聞いた通りだ、イッパイ居る。


真中まなか七国ななくにって人、減ってるんだよね。なのに倭国しずのくには違うの? いや待てマテ良く見ろ。イロイロ混じってるゾ。




「さぁて、引き摺り込むか。」


耶万の祝人はふりと、アサが獲物の足元に闇を展開。


「ヒッ。」


サゴが闇に落ち、耶万のひとやへ送られた。




ウゲッ。何だよココ、ギットギトだ。サッサと終わらせて耶万に帰ろう。エッと、ドコだ。ドコに居る。




「食べ物が無いだ? 当たり前だろう。その辺りの草でも食ってろ。」


大野のゴズに睨まれ、兵が項垂うなだれる。


「はぁ。」


フラフラと森へ向かう。


「ナッ。」


何が『はぁ』だよ。と言おうとしたゴズ、闇に落ち見開く。で、そのまま耶万の獄へ送られた。






息が出来ない、苦しい。何だ、何が起きた。ドウなっている。・・・・・・声が、出ない。




「イデッ。」


何かの上に落ちた。と思ったら、ソコに居たのは。


「サゴ?」


「ゴズ! ゴズか。」




耶万の獄は仕置場の横に在る。


刑に処されるまで入る『待ちの獄』、取り調べが行われる『調べの獄』。耶万の外れに立てられた、切り取られた罪人つみびとが入れられる『垂れ流しの獄』の三つ。




「何かココ、臭くナイか。」


「あぁ、匂うな。」




本来なら『待ちの獄』に入れられるのだが、空きが無いので『垂れ流しの獄』に放り込まれた。


切り取りませんヨ、植えるダケ。




「浦辺にも、加津や千砂にも近づかなかった。連れ帰った兵を民として、采や大野で受け入れるなら見守ろう。そう思っていたのに。」


耶万の社の司、アコが目を細める。


「もう『呪い』としか思えない。」


悦、采、大野、光江、安の民は揃っていくさ好き。弱いのに、人が少ないのに減ったのにナンデ?


「悪いが。」


好きで闇の種を植えるワケじゃナイ。


「何だジジィ。」


くびり殺すぞ。」


「・・・・・・ハァ。」


『今の若いモンは』なんて思わない。けれど誰だって年を取り、爺婆じじばばになるんだよ。


「確かに、ヌシらより長く生きている。」


早いモノですね。あんなに幼かったアコが恋をして、契って親になりました。


「アオ。」


「はい、アコさま。」



祝女はふりめアオには闇を思い通りの形に変え、操る力がある。


その手に持っているのは猛毒、『耶万の夢』。


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