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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1237/1594

14-28 働きますから


悦のモウ、光江のカン、安のゴリもきみから預かったつわものを失い、捕らえられた。はじめにモウとカン、続けてゴリが放り出され、はじけるだろう。



何も知らない大野のゴズとうねのサゴは、倭国王しずのくにのきみを口説き落とせてニッコニコ。海に漕ぎ出すため、兵を引き連れ、飛国とのくにへ向かっている。




「グルジイ。」


どうなっている、ココはドコだ。


「ダズゲデ。」


ドコへ向かっている、殺されるのか。






何か分からないが胸に『何が』が植えられ、体の中で大きく育っている。それダケでもつらいのに、苦しいのに叫ぶ事も出来ない! と嘆くモウとカン。



耶万やまからにおの海、鳰の海から多紀たきへ流すように運ばれているのだ。


死なれては困るので守られているが、生きている人には狭くて細い道。骨が砕けたりはらわたが潰れてもオカシクない。






「ソロソロか。」


多紀神たきのかみの使わしめ、モモが呟く。


「皆、頼みます。」


キリリ。


「ハイッ。」






耶万のアコは蛇谷の祝、ひかるの子。蛇谷の祝に憑く蛇を従え、強い闇の力をふるう。出雲お呼ばれ組の中では知られた話。


多紀神には八柱の子神が御坐おわすが、神在団子かみありだんごに思いを馳せながら御山に籠られる。



えっ、話が読めない? 失礼しました。


鳰の海と多紀山の間でワクワクしている愉快な仲間たち、八妖をザッと紹介します。




多紀山の西北、渓流に御坐す天流神あまるのかみ。使わしめジュリは目細虫食めぼそむしくいの妖怪。


多紀山の西にある岩の裂け目、根の国に繋がる水脈の戸を御守り遊ばす伊戸神いどのかみ。使わしめ弥生やぶ茅潜かやくぐりの妖怪。



多紀山の西南、渓流に御坐す岩流神かたるのかみ。使わしめガアは星鴉ほしがらすの妖怪。



多紀に連なる御山の一つ、雲掛山くもかけやまに御坐す雲海神くみのかみ。使わしめ雪羽きよはは雷鳥の妖怪。


白子しろこなので年中、純白デス。



御嶽の北、いただきの大岩に御坐す標神しめのかみ。使わしめ声飛おと岩雲雀いわひばりの妖怪。


多紀に連なる御山の一つ、陽嶽ひたけの頂に御坐す陽嶽神ひたけのかみ。使わしめ八生やえは野猿の妖怪。



御嶽の東、風穴ふうけつに御坐す峰蛇神みいのかみ。使わしめみず山楝蛇やまかがしの妖怪。白子です。



御嶽に御坐す御嶽神。使わしめ垨は野兎の妖怪で人の姿に化け、山を荒らす生き物を谷底に落として殺処分。


多紀山のテーマソングを歌うのが大好きな、あの兎チャンです。






「八生、ドコへ行く。」


「ウキッ。」 キヅカレタ。


「谷に蹴落とすぞ。」


「いヤだナ、垨さま。お目が怖イです。」


ウキキ、キキッ。


「鳥など恐れぬ、逃げられると?」


ジュリ、弥生、ガア、雪羽、声飛に睨まれタジタジ。


「ハァ、噛むか。」


瑞が牙を見せた。


めて、死にたくない。」


山楝蛇は歯の奥に毒腺を持ち、深く咬まれると致命的。


「働きます。働きますから、お願いします。お助けくださいぃぃ。」


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