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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1235/1591

14-26 どうなっている


王に託されたつわものが全滅した事、悦のモウと光江のカンに闇の種が植えられた事も知らず、安のゴリが倭国しずのくにの先遣隊を引き連れ、浦辺うらべに仕掛けようと近づく。




「静かだな。」


飛国とのくには若い兵を送った。


先に出た舟、全てがココまで来たとは思わない。思わないが静か過ぎる。


「オイ、あの川に入れ。」


水手かこに分かるように示し、腕組みして黙り込んだ。




倭国王しずのくにのきみは『松田を調べよ』と言った。


これまで多くの兵を送ったが、いつも戻るのは一人だけ。皆、酷く怯えて使い物にナラナイと。




「えっ。」


水手が驚き、かいを持ち直した。


「何だ。」


ゴリに問われ、くちびるを噛む。


「流されて、違う。引っ張られています。」




舟がスゥっと松川に入り、流れに逆らって進む。怯えた水手が櫂を手放し、頭を抱えて震えだす。ソレに気付いた兵が見開き、『漕いでナイのに』と呟いた。




「オイ、どうなっている。」


ゴリが水手に問うが、頭を振るダケで何も言わない。


「ヒッ。」


「アッ。」


「ワッ。」


背後から小さな悲鳴が。


「何だ・・・・・・よ。」


兵が、舟に乗っていた兵が減っている。


「エッ。」


目の前で兵が、何かに吊り上げられた。


川に飛び込もう。そう思った時、倭国の舟が松田に流れ着く。と同時に残りの兵が消えてしまう。


「何が。」


逆さに吊られ、何かに手繰たぐり寄せられている。


「ギャッ。」




見えない何がが右の足に絡みつき、ビュンと勢い良く空へ。


左の足と両の手をブンブン動かすが、ブランブランするダケで解けそうにない。




「死にたくない。」


「もう嫌だぁ。」


兵たちが叫ぶ。




松田は耶万に滅ぼされ、他じゃ生きられないヤツが隠れ住んでいる。そう聞いた。調べに行ったのが一人も戻らず、逃げたか住みついたんだろう。


そう思っていたのに何だよ。




「放せ、放しやがれ。」


叫んでも暴れても止まらず、クラクラしてきた。


「ドッチだ。」


東なら松裏まつうら、西ならしいの川。その先は死の森。


「海が左で、後ろに進んでいる。」


というコトは東。松裏か。




松裏は松田と結び、『松毒』を作っていた。松林の裏にあるから海から吹く風が届かない、強い国だと聞いたが何かが違う。


こんな力を持っていたら松田に使われたり、耶万に破れる事も無い。なのに負けた、滅んだ。




「ギャァァ。」


ビチャビチャ、ズルル。


「ダズゲデェ。」


クチャクチャ、ジュルル。



兵が一人づつポトポト落とされ、食われている?


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