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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1233/1602

14-24 ありゃりゃ


耶万やまの社の司、アコはひかるせがれ。蛇谷の祝が受け継ぐ清らで、とても強い力を生まれ持つ。


光を飲み込む強い闇は憑き蛇、てるに認められなければ使いこなせない。



耶万社やまのやしろの継ぐ子たちは年を重ね、力を増した。中でもアコの強さはピカイチ。






明里あかりから耶万に送られた罪人の胸に、大きな闇の種が植え付けられました。」


ゴクリ。


「この地に溢れた闇を取り込み、忘れられない花を咲かせるでしょう。」


わ、忘れられないって。


「夢に出ますヨ。」


クラクラ、ふらぁり。


「モモさま、お気を確かに。」




シッカリせねば! 耶万から闇の種、いや苗が届く前に七国を巡り、代替わり為さった神を御連れする。大祓おおはらえには九柱・・・・・・。


あれ?



笠国から前狭神まさのかみ、駒国から甲賀神こうかのかみ、剛国から無患子神むくろじのかみ、倭国から寧楽神しずらのかみ、瀬国から五色神いしこのかみ、飛国から伊摩神いいまのかみ、保国から壅坧神ようしのかみ




「ハッ!」


川の神。弓良神ゆらのかみ勢多神せたのかみに御頼みしよう。


「白蛇さま。お知らせくださり、ありがとうございました。」


モモが照に一礼し、姿を消した。






いつ闇が溢れてもオカシクない、そんな地に闇の種を植えた人を戻すのだ。多紀たきの御山のおさで在らせられる多紀神たきのかみにおの海に御坐おわ鳰海神におうみのかみにも御伝えせねば。


というコトで休まずニョロニョロ進む。



鳰海神は狭間はざまの守神。御坐すは人のときの果て、生き物が暮らせぬ地。


ちょっぴりドキドキ。






真中まなか七国ななくにが一つになれば、この地に漂う闇が大きく変わります。古い闇と新しい闇が引き合えば、恐ろしく強い力になるでしょう。ソレがもたらすすのはわざわい。」


照は知っている。人の世から争いが、いくさが無くなる事は無いと。


直日神なおびのかみが御隠れ遊ばし、禍津日神まがつひのかみが現れ出られる。子が生まれても育たず、痩せ細って死んでしまう。そんな国から噴き出す闇に、人を幸せにする力はアリマセン。」


戦に破れて滅んだり、暮らせなくなって逃げ出したり、飛び出したりしても死んでしまう。


戦、戦の七国が一つになれば。なんて事を考えても、願っても叶わない。


「アコの力は強い。真中の七国に溢れる闇を取り込み、大きく育てば実を付けます。その実がはじければ、光の雨を吸った地は一度ひとたびだけ輝くでしょう。」


どんなに強い祝の力を持って生まれても、それは人にも扱える力。


「ウム。」


大祓を執り行うなら、ザッと清められてから。そうすれば九柱でも、真中の七国を丸ごと清められる。


そう考えるのか、照よ。


「狭間の地から使いを出そう。」


キリリ。






鳰海神の使わしめ、すみ鸊鷉かいつぶりの妖怪。


新生活に心躍らせながらに葦で浮巣うきすを作っていたら、遊びで狩られて死亡。『殺すなら食えよ』と叫んだら鳰海神に慰められ、使わしめになる。




「ありゃりゃ。」


狭間の地から人の世に出て、大木おおき根本ねもとから首を出しキョロキョロ。それを見たもり、食べていた草をハラリと落としてバタン。


兎の心臓に悪かった、らしい。


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