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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
七国統一編
1222/1591

14-13 破落戸、大集合


真中まなか七国ななくにで、長く生きる大王おおきみは少ない。



しづめ西国にしくにや中の西国に仕掛けても変わらないのに、南国みなのくにや四つ国に仕掛けるとやまいになる。


中の東国ひがしくにに攻め込もうとすると死ぬか、毒を盛られて殺されてしまう。



生き物は人も獣も、いつか死ぬ。けれど殺されるのは嫌だ。


誰だって怖い、恐ろしいと思うモノ。






「ワシら二人じゃ、どうにもナランと思うがな。」


「そう言うなよ、ゴズ。」


サゴがグイっと顔を近づけた。


「他はアレだが倭国しずのくに飛国とのくにはイケルと思うぜ。」




大野のゴズとうねのサゴが大磯川の東で落ち合い、どうすれば耶万やまを落とせるのか話し合った。


二人の狙いは食べ物でも子でもナク、強い力を生まれ持つ祝。



耶万に組み込まれ、盛り返せた国には強い国守や祝が居た。ソレをさらい、連れ帰れば耶万とのいくさに勝てる。


そう考えて。




「王は増えても大王は同じ。」


ゴズがニヤリ。


「それでも仕掛ける。」


サゴもニヤリ。




悦、采、大野、光江、安は耶万との戦にやぶれ、組み込まれた。


弱かったから負けたんじゃ無い。耶万には多くの祝が居たから、強い力を持っていたから勝ち続けたダケ。そう思い込み、生きている。




「待たせたか。」


安のゴリが遅れて到着。


「気にするな。」


サゴに言われ、苦笑い。


「お、来た来た。」


ゴズが嬉しそうに、川下かわしもへ手を振る。




ゴズとサゴは安、悦、光江のゴロツキにも声を掛け、大王をそそのかすにはドウすれば良いか話し合う事にした。


力を合わせて動かなければ、王や大王を踊らせられない。




「よぉ、久しぶり。」


悦のモウが手を振りながら近づく。


「待ったか。」


光江のカンがニヤリ。




悦、采、大野、光江、安の破落戸ごろつき、大集合。


議題は真中の大王をドウ唆すか。つわものをドコにつけ、戦わせるか。




近海おうみと大浦は耶万を蹴散らした大国。仕掛けたら負ける。」


カンが言い切る。


「加津と千砂ちさ腰麻こしまにもバケモノが居る。ドッと仕掛けなけりゃ勝てねぇよ。」


モウが続けた。


早稲わさ風見かぜみは耶万から引いた。耶万が万十まと氛冶ふやに頼る前に祝を奪えばコッチの勝ち。」


ゴリがグフフと笑う。


「松毒や耶万の夢より弱いが、七国の毒もイケルぜ。」


サゴがスッと目を細め、ニヤリ。


「戦を仕掛ける前に松田、いや浦辺に集まろう。兵を休ませてから仕掛けるんだ。」


ゴズが胸を張る。






話し合いの末、サゴは駒国こまのくにと倭国。ゴリは笠国かさのくに。ゴズは飛国と保国たもつくに。モウは瀬国いわたのくに、カンは剛国こうのくにの大王を口説く事になった。


駒国と倭国は中の東国に、飛国と保国は耶万に仕掛けたがっている。どちらかを落とせば、スンナリと話が纏まるだろう。だから二国、掛け持つ。



五人とも昔の話、言い伝えを知っている。けれど軽く考え、真中の七王に兵を出させようと動き出す。


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