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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
121/1571

5-48 し、師匠!


イチは、狩り人に憧れた。もちろん、米は好きだ。稲も、美しいと思う。思うが、どうしても狩り人になりたかった。


父も母も、兄たちも。誰も狩りをしない。そして、言われた。


「オマエに狩りなんて、出来ない。諦めろ。」


腹が立った。やってみなけりゃ、わからない。


「出来る。諦めない。」




狩り人の住まいを訪ねる。


「オレを、狩り人にして下さい。」


頼みこんだ。


「・・・・・・え?」


呆れられた。




「それでも、それでもです。諦めなかった。どうしても狩り人になるんだ。そう言って。」


願いを叶えたいと、努めるのは良いが・・・・・・。


「子だろう。一人では。」


「いいえ、違います。子に見られますが、十二です。」


人は、見かけによらない。




「信じよう。だが一人で、山に入るのは良くない。何かあったら、どうする。」


ウルウルしだした。


「せめて、もう一人。犬も連れてだな。」




「か、狩りを。狩りを、教えてください。シゲさん、いえ、シゲさま。」


なつかれた?




「いやっ、待て。」


「はい。待ちます。」


真っぐなのは良いが・・・・・・。


「悪いが、急ぐ。教えていられない。狩らんと。」


キラキラするな。見るな。


「わかりました。」


そうか、わかってくれたか。


「お供します。」


はぁ。




「クゥ。」 コマッタ。


コイツ、良いヤツだ。でもシゲさん、困ってる。


「ヨシ、ヨシ。」


シゲコを撫でた。


「ワン。」 エヘッ。


ブンブン尾を振った。




「あの、シゲさま。」


「さまは、よせ。」


「シゲさん。」


「何だ。」


「ついて行きます。」


いや、来るな。


「帰れ。」


そんなに、しょげるな。わかりやすいヤツだ。




「教えてやる。春になったらな。」


パァッと、明るい顔になった。


「きっと! きっとですよ。」


うんうん。わかったよ。


「ああ、きっとだ。だから、帰れ。」



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