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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
118/1574

5-45 守が認めた、隠れ里

住める山を探して、探して。とうとう、獣谷に入った。そして見つけた。


ゲンは妹の骨を持って、姿を消した。スッと。誰にも、何も言わずに。



早稲の村長は荒れた。睨むことはあっても、従っていたゲン。だからこそ、焦っていた。


「探せ、ゲンを。ゲンを連れ戻せ!」


探すフリをした。オレだけじゃない、みんな。


「シゲ! セツがどうなっても、いいのか。」


脅された。が、黙っていた。




隠れ里は、すぐに見つかった。鷲の目に。


「こんな・・・・・・狩り人も避けるのに。」


なぜ、隠れ里を作ったのか。すべて話すと、言った。


「霧雲山の、祝辺はふりべの守に。守にだけ、お伝えする。」


それだけ言うと、食べ物をくれた。


「少ないが、足しに。」




しばらくして、鷲の目が戻った。


「霧雲山、祝辺の守の使い。守りの、言の葉。」


ゲンが平伏した。


「はい。」


「『許す。生きよ。里のこと、もらすな』とのこと。」


鷲の目が、包みを手渡した。


「獣よけだ。」




この里のことは、誰も知らん。釜戸社の祝も。だが、見つかるかもしれない。


釜戸社の、獣谷の仕置場から近い。釜戸山が噴き出した、そういう時にだけ使われる。とはいえ、近すぎる。だから気をつけろ。


そこの仕置場は、あまり使われない。川からしか来られない。だから、来れば分かる。



「それと、これを。」


「これは。」


「祝辺の守の、認め札だ。」


もし、何かを探す素振りをしたら、祝人はふりとを一人。茂みに連れ込み、見せろ。


釜戸社だけではない。祝なら、女も男も、知っている。この札が何なのか。


「見せれば、引く。必ず。」


再び、平伏した。


「生きろ。そして、救え。守が認めた、隠れ里。誰も手だし出来ない。裏切るな!良いな。」


そう言って、いなくなった。


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