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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新生編
1163/1589

13-10 どうすれば


とつ守から多鹿たかに伝わる話を聞かされ、カヨは酷く驚いた。けれど『力になりたい』と言われ、もっと驚く。



山守社やまもりのやしろは山守や山越の民が何を言っても、『呪い祝が消えて無くなるまで祝を選ばぬ』と決めました。」


「エッ!」


あっ、シマッタ。


「呪い祝、テイは消えて無くなりました。けれど山守神やまのりのかみも使わしめ、シズエさまも祝を選ばぬ。置かぬと決め為さったトカ。」


そう、ですか。


「カヨさま。もし霧雲山にわざわいもたらすなら、消します。」


「何を。」


消すと脅され、カヨが思わずほらから飛び出した。が、ヒョイとままれジタバタ。



「何を為さりたいのですか。」


とつ守に問われ、カヨが口をつぐむ。 


「そんな目で見ないでください。私は『手を出すなら、山守の民と山越の民ダケにするように』と御伝えしたくて、ココに来たのです。」


にっこり。


「・・・・・・まこと、ですか。」


とつ守に摘ままれ、プランプランしていたカヨが問う。


「はい、真です。」


ニコッ。


「では、山守社の」


「ソレはイケマセン。」


キリッ。


「山守社の人には、手を出さないでくださいネ。」


ケッ。


「そうそう。祝辺はふりべひとやに許し無く入れば、直ぐに清められマスよ。」


それは良い事を聞いた。


「ありがとうございます。」


一度ひとたび、確かめねば。


「どう致しまして。」


とつ守がプランプランしていたカヨを、大岩の洞にソッと戻して微笑んだ。


「では、また。」






カヨの願いは、山守と山越の民を根絶やしにする事。おのと同じ思いをする女を無くす事。


山守社から呪い祝、テイが消えたのだ。遣り口を変えなければナラナイ。



「とりあえず、確かめるか。」


洞の奥から祝辺の獄へ行き、チョンと壁に触れてみた。


「ウッ。」


指先がピリッとして、ちょぴりげた。


「真だったか。」


クルンと方向転換し、山守へ戻る。






山守社にはめかんなぎおかんなぎも居ない。


昔は居たが巫が、ウロがうつわを求めていた妖怪と力を合わせ、祝に取り憑いて取りめさせた。



祝が選ばれず、巫も覡も居ない。となると、どうすれば山守と山越の民を消せるのだろう。






「フゥ、困った。」


大岩の上にチョコンと腰掛け、溜息をく。


「悩み事ですか。」


山守神の使わしめ、シズエが微笑む。


「はい。・・・・・・えっ!」


「山守から巫が出る事はアリマセン。」


ニッコリにこにこ。


「山越の民から巫が出ても良い、というコトでしょうか。」


カヨに問われ、微笑み続けるシズエ。カヨは『山越からなら良い』と判断し、頬を染めた。


「ありがとうございます。私、山越を調べようと思います。」


「はい。お気をつけて。」


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