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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
新生編
1161/1588

13-8 見つけた


鎮森しづめもりたみに何かが起こった。いや、何かを隠している。


矢弦やつるの忍びか。



「まぁ良い。」


怪しいのは山守社やまもりのやしろと、その周り。


「フゥゥ。」


木のみきに、目を閉じたまま息を吐く。



山守に潜む何かは闇堕ちし、呪い種になった何かだろう。鎮森の民には悪いが、消えてもらうよ。



ザワザワ、ザワワ。


「ん。」


ソヨソヨ、ザワザワ。


「んん。」


ザワザワ、ザワッ。


「んんん。」



ナゼだ、なぜ何も。


呪い種だぞ。はらわなければ、清めなければわざわいもたらす。なのにナゼかばう。



「そうか。」


なら、私が見よう。






鎮森は、いつも通り。山守、山守の民も変わりない。力を持たぬ者、弱い者を甚振いたぶって喜んでいる。


山守社は、まだ山守の民を信じるのか。守らずともアレは死なん。その数を減らせば、それだけ助ける人も増えるのに。


やしろ、離れ、ひとやにも怪しい動きは無い。となると社の周り、歩いて行けるトコロ。






「おや、あの大岩。」


まつられているが、何だろう。おにの子が楽しそうにねている。


「ウッ。」


とつ守がうめき、ひざから崩れ落ちた。顔色が悪いが、その目は猛禽類のように鋭い。


「見つけた。」



山守社の近く、祀られている大岩にほらがあった。山守のテイを変えた何かが、大岩に潜む何かと同じならドウなる。


何を狙う。



「山守の民を、消す?」


そのためにテイを呪い祝に変えた。



草木が、鎮森の隠が守ろうとする。いや守ろうとしたのだ。山守の山に禍を齎すモノでは無いのだろう。けれど今まで、あの闇は。


違う。



「テイが消えたから、おもてに出てきたのか。」


急がねば。






トタトタトタトタ、どぉん。


「とつ守、行かないで。」


みつ守が駆け寄り、抱きついた。


「日が暮れる前に戻ります。」


祝辺はふりべの獄から『ウゥゥ』って聞こえるんだ。」


「そうですか。」


「闇じゃナイ闇だよ。」


「呪いか何かでしょうね。・・・・・・ん。」



祝辺の獄、闇? 他にも何かが潜んでいるのか。


いやイヤまて待て、どうして人の守を頼らない。ひとつ守、ふたつ守を頼らないんだ。



「お願い。」


みつ守、うるうる。


「ひとつ守にっ。みつ守、手をはなしなさい。」


とつ守にしかられ、お口をキュッ。上目遣いでウリュウリュ。



はい、演技です。


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