12-63 心許ない
テイの企みに気付いた祝辺の守、とつ守が排除に動く。
失敗は許されない。
「ティ小、でしたか。テイの闇、流離山の洞にも潜んでいましたね。」
流離社の禰宜には強い守りの力が有る。守りの膜から洞を外すくらい、何でもナイだろう。
分ティが居るのは狩山。真っ直ぐ進めば汊眺山を抜ける事になるが、流連滝から滑川を上がれば避けられる。
ティ子が潜む洞は流離川が滑川が交わる、少し先にあると聞いた。滑川を流れ、滝を落ちる前に見つけたに違い無い。
「いつ守の力、お借りしましょうか。」
日の光か月の光で見えない膜を張り、閉じ込める闇の力。思うまま揮ってください。
「良いですよ。」
ヒョコッ。
「山守の生まれですからね、テイの闇なら判ります。分ティをティ小に、いやティ小を分ティに取り込ませるのですね。」
「はい、いつ守。狩山の杜と山在の間を抜け、流連川から流連滝、滑川を上がらせ流離山の洞へ。」
「わかりました。」
ん、んん?
「この感じ。」
懐かしい。
「テイ。そう、テイの闇だ。」
イイ感じの祝ではなく、切り取られた闇を流離山で発見。ウッキウキ。
「ココからだと、そうだな。」
狩山の杜を抜け、るのは止そう。ヤツが居る。
「となると、うん。」
狩山の杜と山背の間を抜けて流連川、流連滝を登って滑川を上がる。
「汊眺の犬に見つかると、ややこしいコトになるな。」
水から出るのは汊眺と流離の間。いや、颯の原を過ぎてからにしよう。
「洞、深いな。」
横穴が下に向かって伸びている。その奥に潜むのが、クックック。分ティ人に取り込まれるんだ、喜べ。
狩山の頂に転がる明日をビンタして起こし、少し浮かせて高速移動。
「いや待て。」
山在の外れで急停止。
「足りん。」
闇玉をドカドカ十発、発射したからネ。空っぽじゃナイけど心許ない。
「これっぽっちじゃなぁ。」
流離の洞に潜む闇を取り込み、強くなるのは良い。けれど今のままでは、逆に取り込まれてしまう。そう考えた分ティ、作戦を練る。
狩山には里も村もイッパイあるのに、入れるのは山在だけ。
『この器で無ければ山在にも入れない』そんな気がする、きっとソウだ。となると残りを全て刈り取る、しかナイよね。
山在は明日を切り捨てた。社の司、いや御婆の考えだろう。セイの父、姉は社憑きに守られている。
何だよアレ。分ティが捨てた鹿に、隠とかイロイロ入って妖怪になった?
ビックリだよビックリ。セイの骸は無いし、山在で馴染みそうなの他にも見つけたのに、奪いたくても奪えない。
だからさ、この器しかナイんだ。
「アレ嫌コレ嫌、言ってイラレナイか。」
山在で吸い取れるだけ吸い取って、タプンタプンにしてから行こう。出る時は、そうだな。
「神の仰せだ、とかドウよ。」
好きだろ?