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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
暗風編
1142/1592

12-60 分ティ怒った


御山の外から、とても強い先読の力を持つ子が来る。このまま動かなければテイの闇に取り込まれ、穴という穴から血を噴き出して死ぬ。


今すぐ動いてもテイの闇に取り込まれ、カラカラに干乾ひからびて死ぬ。死んでしまう。




「あぁぁ。」


どうする、どうすれば救える。守れる。


「読まなければ。」


こうしている間にも闇が、呪いが!






タエの力は母から娘へ継承される、とても強い力。


良村よいむらでマルと共に育った事で心が安定し、歴代最強となったのだ。ここのつ守の先読とは丸切り違う。



ティが闇玉を打ち上げようと考えた瞬間、先読開始。直ぐに動かなければ、多くの命が奪われると知った。



良村よいむらの皆に見送られ、良山よいやまを出たタエ。通常なら二十日は掛かるのに、ほんの数時間でラクラク移動。


はじまりのおに神、大蛇神おろちのかみの背に乗ってネ。






「良かった。」


間に合ったわ。・・・・・・狐火って、熱くないのね。


「呪い祝の闇が消えるまで、外に出てはイケナイよ。」


「はい、フサさま。」




日持ちする食べ物をタップリ持たされたし、タラが大袋にギュウギュウ詰めた食べ物もある。かめには大泉で汲んだ水がナミナミと有るし、家の隅には薪が山積み。


しばらこもっても困らない。



出られないのはタエだけなので、何かの時にはタラが外へ。


『何かの時』って何だって? そりゃアレだよ。音とか匂いとか、いろいろ気になるモン。察して!






「良いのが見つからない!」


第三弾、四弾、五弾、六弾、七弾、八弾と連発するも、ウキウキもワクワクもシナイ。


「何で、ねぇ何で。」


イライラぷりぷり。


「オカシイよね。ねぇ!」


誰に聞いているのカナ?


「もう良い、先見で手を打つ。」


第九弾、発射準備開始。






「おやおや。」


諦めが悪いですね。


「とつ守。」


むつ守に声を掛けられ、ゆっくり振り返る。


「はい。」


禍禍まがまがしい空を見上げていたとは思えないホド、爽やかな笑顔。


「あの闇、この光で断てるでしょうか。」


六代祝辺の守は指先から光の糸を出し、生物を切断する力を生まれ持つ。


「難しいでしょう。あの闇はテイから切り離されたモノですが、壺に入れられたテイの闇とは何もかもが違います。」


「何もかも、ですか。」


「はい。闇の濃さ深さ、呪いの強さも。」


ゾワッ。


「また強くなりました。」


第九弾、発射。


「とつ守は、その。」


闇の力を持たない守は皆、悪寒が止まらず困っている。なのに、どうして耐えられるのだろう。


「私も今、気付きました。緑豊かな所に居れば、あのように強い闇にも耐えられると。」


にこにこニッコリ。


「おや、また?」


第十弾、発射準備開始。






「怒ったよ。分ティ怒った。」


鼻の穴をプクッと膨らませ、地団太じだんだを踏む。それからキッと空を睨み、発射!


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