12-52 私と逃げて
闇でプリンプリンになり大満足! 分ティ人です。強い先読の力が欲しいナ、と思い始めました。テヘッ。
霧雲山に闇を広げる準備、始めまぁす。
所変わって、山守の南東に聳える野呂の山中。タエがトコトコ山歩き。
「エッ。」
肌身離さず持っていたマルの守り袋が熱くなり、中の石が発光しているのに気付いた。
「まぁ。」
紐をグイグイ引っ張り、守り袋をソッと開く。のを止めて、ソッと胸に当てた。
「読まなきゃ。」
大急ぎで先読、開始。
野呂の山中で蹲り、ブルブル震える。
直ぐにでも野呂を出ないと大変な事に、多くの人が傷つき動けなくなってしまう。
「マル。タマ、ミヨ。」
私どうすれば、どうすれば良いのかしら。
「怖いけど怖がらず、シッカリ読まなきゃ。」
緊急事態につき野比から忍び、木菟が駆けつけた。タエは鷲の目に抱えられ、滝山にある小屋に入れられる。見張りに立ったのはタラ。
野呂の男たちが必死で戦う相手はバケモノ、人じゃ無い。バタバタ倒れて動かなくなった。
「次。」
野呂にバケモノが攻めてくる。鷲の目の頭に伝え、人には勝てないと訴えた。
野呂社を通して靄山社に助けを求め、靄山隠が野呂山に到着。抜群の機動力を誇り、『隠忍び』の異名を取る強者揃いだが・・・・・・。
「次!」
野呂にバケモノが攻めてくる。鷲の目の頭に伝えて直ぐ、大木に触れて鎮野社の皆に伝えた。
光の珠を生まれ持つ満、光の剣を生まれ持つ舞が鎮野神の使わしめ、昼に乗って現れ力を揮うも取り込まれ・・・・・・。
「次次!」
バケモノの狙いは強い先読の力を生まれ持つ私。だから黙って野呂を出ようとしたのに鷲の目に捕まって、野呂にバケモノが攻めてくると伝えた。
そのまま抱えられて滝山の小屋に入れられて、膝を抱えてジッとしていた。
不安な夜を過ごし、朝が来て直ぐ外が騒がしくなる。ソッと、ソッと見たら骸の山がこちらを・・・・・・。
「嫌ぁぁ。次よ次次ぃ。」
息が乱れて苦しい。胸がドキドキする。
「読まなきゃ、読まなきゃイケナイ。」
いつもの癖で守り袋を握りしめた。
「あぁぁ。」
マルの守りの力により、波が引くようにスゥっと落ち着いた。眉間の皺が伸び、呼吸も楽になる。
「ありがとう、マル。」
ユックリと立ち上がり、握りしめていた守り袋を衣の中へ。
「行こう。」
転ばないように気をつけながら走ってる。頬っぺたが赤いよ、どうしたの。
「タラ。」
なんだい、タエ。ボクの胸に飛び込んで御出で。
「聞いて。とても怖い事が起こるの。」
ん?
「野呂にバケモノが、呪い祝の闇が押し寄せてくるわ。お願い、タラ。私と逃げて。私を大泉に連れて行って。」
おっ、オウ。
「わかった。でも、その前に社の」
「今、直ぐ!」