表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
暗風編
1114/1588

12-32 跳びます


ふぅ、今日も痛かったゼ。ってかさ、近くに居るって気付いてるよね。なのにナンデ出て来ないんだ。


泣くぞ、ワンワン泣くぞ。大泣きしちゃうゾ。




「トウッ。」


木の上から闇を伸ばし、いのししを串刺しにした。そのまま持ち上げ、ズズズと手元へ。


「いっただきまぁす。」


頭蓋ずがいがパカンと開き、丸呑まるのみゴックン。


「うん、美味うまい。」






イノシシはカノシシと言われる鹿と共に、古代から日本人が食用とした獣。豚の原種と考えられています。肉は山鯨やまくじらと言われ、牡丹鍋ぼたんなべにすると美味。


何だカンだと理由を付けて、宴会したがる傾向が強い日本人が、太古からパックンしていた食材。不味まずいワケが無い。



こう言っちゃ何ですが、グルメだからね。世界各国の料理を上手うまい具合に取り入れ、日本人の舌を満足させる逸品に変える。


和風に再構成されたソレは高い完成度を誇り、本家本元もビックリな極上品に昇華。その情熱、錬金術に傾けたら今頃は・・・・・・。



花より団子の日本人、色気より食い気だもの。早早そうそうに見切りをつけ、食を追及したでしょう。アハハ。






「わぁい、熊っ。」


ブサッとっ刺し、大熊を仕留めた。


重かったのか大枝がグワンとしなる。がソコはティ。ヘビー級選手、じゃなくて肉塊を気合と根性でエイッと持ち上げた。


「いただきまぁす。」


頭蓋パッカァン、かぁらぁのぉゴックン。


「うぅん、頬が落ちそう。」






熊肉は身体を温める効果や滋養効果が高いとされ、美肌効果があるといわれるコラーゲンも含まれる。


よって美容に効果があると珍重され、熊鍋にすると動物性蛋白質と食物繊維やビタミンなどが同時に摂取できるトカ。



夏のクマはせて脂肪が乏しいうえに、野生特有のにおいが強く、不味まずいとされる。


けれどソレは美味おいしい物を食べ慣れていて、味の良し悪しを識別する力がついている日本人だから、ソウ思うダケ。


肉は肉だよ。



熊肉は野生肉なので臭みが強いと思われがちだが、原因は季節によって主に食べるえさが違う事と、狩猟後の処理の仕方で個体差がでる。


熊を狩猟した後、すぐに締めて解体するなど、一定の技術が有れば問題ない。らしい。






「お肌ぷりっぷり。傷もあざも消えてる。やったぁ。」


熊肉効果、絶大。


狩り? の最中さいちゅうねずみかじられたトコロもキレイに元通り。



「ヨォシ、張り切って跳ぶぞ。」



トコトコと定位置に移動し、準備運動を始めた。一にぃ三、二ぃにっ三と飛んだり跳ねたり伸びたりイロイロ。


家に引き籠もっている明日あびが外に出るのは朝、顔を洗う時だけ。好機 いっからず!



「今だ、エイッ。」


両手を伸ばしたまま体側に付け、ひざを曲げてピョォンと横に高く跳ぶ。勿論もちろん、笑顔だヨ。


「イデッ。何のナンの、トリャッ。」


再び両手を伸ばしたまま体側にピタリと付け、膝を曲げてピョォンと横に高く跳ぶ。笑顔でネ。


「イッテェ。負けるモンか、トウッ。」


気合と根性で立ち上がり、両手を伸ばして体側にピタッ。膝を曲げてピョォンと、横に高く跳んでドスン。


「フゥ、笑うの忘れてた。気を取り直してぇって、フフ。ふふフン。今日はコレで許してやるか。」


用事を済ませた明日、帰宅。明くる日の朝まで出てきません。






「新しい朝が来た! 諦めたらソコで終わりだ。張り切って立ち向かおう。エイッ。」


両手を体側に付け膝を曲げ、横に高く跳ぶ。笑顔で♪


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ