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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
山守編
1040/1589

11-91 マルが望むなら


らいの政策を踏襲し、に協力した全てを処分。


是の死を喜び、一家の断絶を願った雷獣を監視。小さな不正も見逃さず投獄し、危険地帯での降雨作業に従事させる。賃金が発生したり、刑期短縮する事は無い。


死ねば『合同墓地に埋葬する』と、遺族に通知されるダケ。



雷獣たちは王、是王時代を懐かしみ、後悔の念に駆られる。


歖王の政策は滅茶苦茶めちゃくちゃ無茶苦茶むちゃくちゃ。多くの雷獣が落命し、食べ物にも困る生活が続いた。


是王は全ての雷獣が安心して暮らせるよう、天帝に諫言かんげんし続けたのだ。なのに、それなのにおのらは歖の狂言に踊らされ、是王が死ねば幸せになれると思い込んだ。






「ある意味、復讐だね。」


神成かみなり山に戻ったながれが、白澤はくたくから送られた木簡もっかんを手にポツリ。


「靁の姉とめい行方ゆくえは、まだ分からないのかい?」


「はい。西へ向かった、としか。」


白龒はくりゅうが目を伏せる。


「無事だと良いけど。」




父母に弟まで投獄され、婚家からは厄病神扱い。娘と共に追い出されるも実家は没落。もしアタイならドウする、ドコの誰を頼る。


・・・・・・アンリエヌ。


いや、幾ら何でも無理がある。けれど定められた通りに申請し、認められれば保護されるカモ。


化け王は弱者の味方だし、アンリエヌは強国。農業と酪農、貿易にも力を入れてるって。




「流さま。私、靁の目に狂気が宿るのを見たのです。」


ふぅん。


「雷獣軍団を統率し、天帝の手足となって働くのが雷獣王。靁王は慈の嫡男、是王の臣でした。」


「で、その靁が悪逆非道の心を持つと。獅や慈、是が守ろうとした雷獣の未来、幸福を破壊すると。」


「いいえ、ソコまでは。」


「憎悪の念ってのはね、一度でも抱けば終わりなんだ。永遠に消えない。白澤にも伝えたケド、靁を歖に近づけちゃイケナイよ。歖は兄一家、叔父一家を迫害した大罪獣さ。耐えきれず許しを請うだろう。」


ハッ!


「靁に渡しておくれ。」


「これは?」


大蛇神おろちのかみ、紅白大蛇のめぐし子が作った守り袋さ。落すんじゃナイよ。」


「ハイッ。」






さぁて。雷獣の件も片付いたし、そろそろ動くか。


にしてもテイのヤツ、シブトイね。サクッと消滅させられる強者つわもの、居らんか?


オッとコウしちゃイラレナイ。郡山こおりやま御坐おわす猫神にアレコレ御伝えするため、おにときへ行く御許しをいただかねば。






「そうですか。」


祝辺はふりべもりが霧雲山を調べている間に、タエを良山よいやまから出す。


人の世ではナク隠の世を、大蛇神の背に乗って行くんだ。怖い思いも恐ろしい思いもせず、野呂のろに行けるだろう。


「シゲ。」


「はい、大蛇様。」


「祝辺の守は諦めが悪い。人の守より隠の守がな、マルの力を求めて居る。タマとミヨは戦えるがマルは違う。」




タマを攫おうと近づくもミヨに気付かれ、アッサリ捕まった御一行様。宝玉神たかたまのかみの使わしめ、ケロにパックンされたまま運ばれ、湖中のひとやにペッ。


ひとつ守が迎えに来るまで魚にパクパクされ続け、魚恐怖症になったトカ。




「マルが望むなら良山から出します。けど、この手で守りたい。鴫山しぎやまは釜戸山と同じで山の中に里がありますが、釜戸社かまどのやしろ鴫山社しぎやまのやしろは違う。マルを鴫山社に、いや鴫山に近づけたく無い。あの地で暮らす人は、目がドロンとして恐ろしい。良村よいむらの誰も近づけたく無いんです。」


大実社おおみのやしろから隠の世に入るのに、イロイロ聞いているからな。マルが鴫山を選ぶ事は無かろう。」


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