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産廃水滸伝 ~産廃Gメン伝説~ 11 白いカラス  作者: 石渡正佳
ファイル11 白いカラス
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善人は往生しない

 産廃に群がるのは黒いカラスだけではない。環境団体や市民団体、環境ジャーナリスト、環境コンサルタント、左翼政党など、偽善者ぶった連中も集まってくる。不法投棄に関与する一発屋、まとめ屋、穴屋、地上屋(自社処分場ブローカー)、行政暴力で許可に介入する右翼や似非同和、斡旋仲介屋(処分場ブローカー)などを黒いカラスだとすれば、こうした連中は白いカラスである。だが白いカラスなど天然にはめったに存在しない。黒いカラスはもともと黒いのだが、白いカラスは天然で白いのではなく白く化粧しているのである。

 伊刈は白いカラスが苦手だった。はっきり言って虫が好かなかった。黒いカラスは、自分が黒いことを知っている。不法投棄が犯罪だと知っている。だから、最後には非を認めて往生する。悪かったと認める。しかし、白いカラスは、自分の本当の姿を決して認めない。自分の非を認めて往生することはない。

 「善人なをもて往生をとぐ、いわんや悪人をや(善人だって極楽に行けるのに悪人が極楽に行けないはずがない)」と言った親鸞聖人の悪人往生説は人間の深い洞察によっている。親鸞は正直に自分の非を認めて仏にすがる悪人の方が、決して自分の非を認めようとしない善人(偽善者)よりも好きだったのだろう。浄土真宗は僧侶の肉食妻帯を認めてきた。長髪も認めている。善行や禁忌が悟りとも往生とも無関係だと知っていたが故である。断食の無意味さを悟ってスジャータの差し出した乳粥を啜った仏陀の心境だったかもしれない。親鸞は宗教家というより哲学者だった。

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