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境界線
目には見えない無色な『何か』。
ずっとずっと『そこ』にいる。
私は絶えず『そこ』にある。
黒でも白でもない淡い色。
無色とは言えない混ざった色。
溢れた絵の具のほんの少し。
太陽と月のほんの一欠片。
現実に怯えながら。
仮想に希望も見出だせない。
中途半端でどっちでもない。
『そこ』から見ている傍観者。
私は一体誰だろう。
『そこ』は一体どこだろう。
曖昧で、静寂で、少し苦しい。
そんなところ。そんな私。
『ここ』は、無色な境界線。
何にもなれない私は、誰?
……私は一体、何者だ?
(「無色じゃないけど無色」という矛盾は作者の語彙力が招いた惨事)