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磨耗

人生のようなもの。

 どろり、とどこかで生まれ落ちる。


 煮詰められた身体は、すぐに型に填められ、運ばれる。

 髪を切り取り、体裁を整え、服を着せられ使われる。

 何かを考える暇もなく、ただひたすらに文字を呑む。


 「よく消える、よく消える」と誉められながら、時には穴を空けられて、無理に裂かれることもある。

 忘れられることも、傷つけられることもにも耐えて、ただ己の表面を削っていく。それでもいつかは捨てられる。


 白い肌は黒く汚れ、次第に磨り減り欠けていく。

 繕っても化粧は剥がれてく。

 いつか使えなくなったその時に、「私」はきっと見限られる。


 ノートの置かれた机の上に、残りかすがまだ、残っていた。

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