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まいご
まいごはあるく。
まいごはまよう
ぼくはあるいた。
どんどんあるいた。
あるいて、あるいて、あるいて、あるいて、あるいて、あるいて……
ころんだ。
いきさきがわからなくなって、かえりみちもわからなくなった。
どっちがまえでどっちがうしろなのかもわからない。
なんのためにあるいていたのかもわからない。
わからなくてわからなくて、なきそうになって、ないてないて……。
ぼくはいまさらきづいた。
みちにまよったっていうことに。
いわゆるまいごだ。ここどこだ。
あたりがくらくなってきた。みちもみえなくなってきた。
ぼくはこのままずっとまいごのままなのか。
いな。だんじていなである。
なぜなら……
ぼくはいつもまいごだから。
まよったことがないぐらいの、まいごのじょうしゅうはんだから。
じんせいにまよう、ただのまいご。
いきさきについたことはいちどもない。
いつもまよってます。