『シェイクスピアへ/It takes millions of centuries to hold us back』
この熱が冷めてしまう前に
このモーメントを記録しておきたい
めまいがする
動悸がする
あたかも瞳孔が開ききっているかのように感じる
これほどまでに
体感的に
言わば病魔に蝕まれるのと同じほどに
芸術を味わったことはなかったかもしれない
わたしは
時代を越えて受け継がれてきた感動をこの身に受け
あまりの完全性に
おそれ多くも
たった四行という短い詩で
"Perfection"と名付けた詩を捧げたつもりでいた
しかし
シェイクスピアは
そんな俺を見透かしていた
何を焦ったか俺は
勢い余って
"Perfecttion"と
綴りを誤ってしまった
英語を教える者として
英語で生きている者として
こんな簡単な単語のスペルを間違えることなどありえない
あまりに非現実的な間違いを引き起こすほどに
かの舞台は
完全なものだったのだ
シェイクスピアが
舞台を通じ
一言一句
違わず
俺に興奮を与えてくれた
俺が人生で感じてきた興奮は紛い物であり
純然たる興奮とはなんたるかを
言葉と感動を以て俺に教えてくれた
俺にとって
今一番必要としているものを
今一番必要としている方法で
今一番欲しているものを
今一番欲している方法で
俺に与えてくれたのだ
この感動を忘れはしない
万に一つも忘れることなどありはしないが
ここにその感動を記し
さらなる自己研鑽への動機と
いまと未来をつなぐ鍵としたい
おそれ多くも
この詩を書くこと自体が
シェイクスピアという亡霊を相手にし
シェイクスピアを打ち倒そうと試み
シェイクスピアを打ち倒したとしても
シェイクスピアにしか生まれ変われないという
宿命の縮図を描いているに過ぎないのである
わたしが
いかに完璧なものに打ちひしがれているか
この言葉を以て
理解してくれると
それだけで嬉しい
ありがとう
そして
ごきげんよう
シェイクスピア
俺はラッパーだ
たかがこの程度の言葉でしか
自分がラッパーである事実と過去を言い表すことはできないが
俺はwkyになるために
wkyとして邁進する