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アルカディア=コード 天災へと挑みし者  作者: オワタマン
Chapter─壱 運命を知る刻
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受け入れ難い変革

 先生に依頼され、琴乃アリアという少女を匿う事になってから一週間が経った。特に何も問題は起きず、生活にアリアが加わっただけの変哲の無い日々を送れている。


 しかし、どうにも変だ。この一週間の間で、当のアリア本人は幾度となく外出を促してくる。命を狙われているというのなら、本来外出なんてするべきでは無いというのに……

 『シズハをつかせれば安心だから』百歩譲って外出する事は許可出来る。しかし俺が変だと思うのはそこじゃない。

 この一週間で『何も問題が発生していない』ことにある。


 ──本当にアリアは命を狙われているのか、そんな疑問さえ湧き出る程に平穏なのだ。


「……なあシズハ」

「んー? どしたの? センちゃん」

 ソファーに横たわるシズハは、普段と変わらず寛ぎながらスマートフォンを眺めていた。警戒している様子は微塵も感じない。


「アリアってさ、本当に…命狙われてんのかな」

 無意識的に、寛ぐシズハに向かって俺はそう聞いていた。


 一瞬の静寂の後、シズハは勢い良くソファーから体を起こした。その表情は至って真面目だった。

「それ……アリアちゃんが嘘ついてるって言いたいの……?」


シズハは怪訝な眼差しで俺の目を見つめてくる。

「いやっ……そういう事じゃなくて」

 その視線に少し寒気を感じ、急いで弁明をしようとすると、シズハは不意に表情を崩した。

「あははっ、冗談だよ! センちゃんが言いたい事、大体分かるもん」

 ぺろっと舌を出すシズハ。この舌を引っ張ってやりたくなったのはいつ以来だろう。


「確かに、命を狙われている……って言う割にはなんにも起きなくて、嘘ついてるとは思いたくないけど……」

 俯いたシズハは、一瞬複雑な表情をしてから、

「やっぱり、本人に直接聞くのが良いんじゃないかな」

と言って俺の顔を見た。別に顔色を伺わなくとも、答えは分かってるはずなのに。


「アリアが部屋から出てきたら話を聞こう」

「うん!」

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