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疫病神ノ話  作者: イコアン
4/4

疫病神ノ話 其ノ參

青春は ブルーな気持ちの 春である

4月8日火曜日


「は〜全く全く、お兄ちゃんには程々呆れるよ。棚の後ろにエッチな本を隠すなんてベタ中のベタだよ全く全く」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「は〜全く全く、真実ちゃんには程々呆れるよ。棚の後ろに仕舞っておいたエロ本がバレるなんて...しかもバレるだけならまだしも親の机の上に置くって...まぁ今はそれどころじゃないな...。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さて、なら私は大人しく宿題でもしとこうかなっと...あ、でもどうせ今お兄ちゃんいないしもうちょっとお兄ちゃんの部屋探ろっかな〜.........よし!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ふ〜

よし、確かあの角だよな...

僕は100m走を走るスピードで目の前にある角に向かっていった。

するとそこで


《彼女と出会った》


正確にはぶつかった

さながら恋愛...


あれ、どこかで経験した事あるシュチュエーションだな...

てかそれよりも


「大丈夫ですか?」

と僕は言った


すると彼女は、

黒のポニーテールの彼女はこう言った

「大丈夫です、助けて頂いてありがとうございます。」

と。


そう、ぶつかった彼女は、彼女だった。


彼女は彼女だった

それだけだとまだ意味が伝達してこない人も少なからず居そうなのでより正確に言おう


ぶつかった彼女は、昨日ぶつかった彼女だった


昨日と全く同じ台詞に格好...

夢でも見てるのか僕は...

彼女と一瞬出会いたくないと思っていたがここまで近づけられたら仕方ないか...

犯人が彼女じゃないと信じよう...


「あっ、すいません大丈夫ですか?...って昨日の方じゃないですか!」


だから白々しいって僕


「昨日の...?あ、駿河さん!」


名前まで覚えていてくれたんだ...

下の名前だけど...

ていうか...


「こんな夜中にどうしたんですか?」

「あ、それが、コンビニに行こうとしたら変なおじさんに追いかけられて...」


またストーカーかよ

いや、確かに可愛いけれど

可愛いけれど狙われすぎだろ...

可愛いから狙われるのか?


「駿河さんはどうしてですか?」

「ん。ああ、昨日誰かにここで僕の右腕が斬られただろう?」

「え、あ、はい」

「それなのに何故か目が覚めたら腕が戻っていてさ。だからここに来れば何かあると踏んだんだけど...」

「腕が斬られたのに元に戻るって...なんだか狐につままれたような話ですね...」

「だろ?因みに君は何か見てないかい?」

「すいませんが何も...」


手がかりなしか...


「それじゃぁ私はこの辺で失礼します」

「え、ああ、うん。それじゃぁ気をつけて」


もうちょっと喋りたかったなぁ

あと名前...



「おぉ!駿河くんじゃぁないか!」

「ん?」

「久しぶりだねぇ!こんな時間にこんな所で会うなんて偶然だね!元気にしてたかい?」

「......いや、元気ではないね。最悪の気分だ」

「ははー!なかなかどうして、てっきりテンションMAXで私に抱きついて来るのかと思ったのだけれど。何かあったのかい?」

「ちょっと嫌な奴に出会ってな」

「あ〜それはテンション下がるね〜。で、嫌な奴って誰の事なんだい?お姉さんに教えてごらんよ!」

「オメェの事だよ吹留九(ふきどく)!」


吹留九(ふきどく) (りつ)

近所にすんでいるおば...お姉さん。

常にジーンズ&体格にあっていないブカブカのTシャツを来ていて、首にヘッドホンをかけ、手にはチャラチャラしたものがいっぱいついている、おしゃべり好きな人だ。


「目上の人にそこまで言うとはちっとは漢らしくなったんじゃないの!でも人間としてはまだまだ下だけどね!」

「ほっとけ」

「目上の人に対しては、敬意は払わなくても敬語は使うべきだよ。長幼の序は守る。これは常識中の常識だよ?」

「お前以外の先輩にはもちろん敬語は使うさ。でも、お前は別だ!」

「おっと。これは酷いことを言われてしまったな〜。全く、元気がいい事で」

「だから元気じゃねぇって...」


早く帰りたい。

一早く帰りたい。



「ははー。でも駿河くんが元気のない理由は私に会ったことだけじゃないでしょ?」


...は?

どういう意味だよ


「お〜いどうしたどうした、鳩が豆鉄砲食らったような顔をして」


してねぇよ


「.........なんでそう思うんだ」

「物知りだからね。私は。何も知らない物知りさ。物知りで嘘つきだからね。私は」

「.........」

「私は君の、君たちの全てを知っている」


彼女は自信たっぷりにそう言った。

彼女は自信満々にそう言った。

彼女はまるで僕の事を何もかも知っているようにそう言った。


「全てって...この世に誰かの事を全て知っている人間なんていねぇだろ」

「君は、今現在存在している人間が全員どんな人か正確に把握しているのかい?

全く、軽はずみな発言はやめたほうがいいよ。」


軽はずみって...どっちが軽はずみな発言をしてんだよ...


「ま〜そうだね〜。私は今、忙しいんだよね〜。追っつけ斗内(とうち)がここに来る予定なのだけれど、それを待ってもいられない。それ程忙しいんだ私は。だから君の今抱えている神様の問題も私が解決する事は出来ない」


「は...?」


「ん?なんだい、まだ自分の腕を斬った犯人が分かってなかったのかい?折角ヒントまで上げたのに...」


「ヒント...?つかなんで俺の腕が斬られた事知ってんだよ!?」


ヒントってなんだ...思い出せ...


「だから言ったでしょう」


彼女は言った。

自信たっぷりに、自信満々にこう言った。


「私は何も知らない物知りなんだよ」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あ〜もう何にも見つかんない...。

しかもお兄ちゃんの部屋何気に綺麗すぎでしょ...」


「お〜い姉ちゃん、何かエロい女の子が載っている雑誌見つけたよ」


「でかした妹よ!」


「どれどれ、【美人百花】...だってよ!怪しい匂いがプンプンするな!」


「真美ちゃんにも見して〜!...

ってそれ女性向けのファッション雑誌じゃん!乙女か!欲求不満すぎるでしょうちの兄!」


「ファッション雑誌でも十分エロいじゃないか!女の子が下着姿なんだぞ!しかもそれが全国に晒されるのだぞ!考えただけでもう!!」


「やめて。それ以上興奮しないで。もう(りん)ちゃんは自分の部屋に戻っていていいからさ。ていうか戻らないとシャーペンで目をやるよ?」


「シャーペンで目をやるか〜...ん〜......まぁあり!よし、受けてたとう!」


「M過ぎるでしょ...」


「ん?

受けてたとう

受けて、たとう

受けて、立とう

受けて、勃とう!?

なんだこの言葉は!?私の為にあるような言葉じゃないか!!」


「私は凛ちゃんの将来が不安になってきたよ......

ん?あれ、なにこれ、本の中に一枚紙切れが入ってる......」


「ん?御札じゃないのかそれは?」


「あ。ホントだ。なんで...?」


「おい、手紙も入っているぞ。送り主は......吹留九 律...?」


後半で出てきた真美ちゃん、凛ちゃんは姉妹です。

長男:草加 駿河 長女:草加 真美 次女:草加 凛 です。

それと後半が会話劇になったのには理由があります。

これは草加駿河の語り、物語なので、草加駿河の知らない場面は語りようがありません。

なので会話劇になりました。

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