疫病神ノ話 其ノ壹
この体 無くなりわかる あの痛み
4月8日火曜日
4月8日の話をする前に少し昨日の事について語ろう。
昨日 4月の7日月曜日の登校時
僕はとある角でさながら恋愛漫画の様に
彼女とぶつかった。
まぁでもこの世は恋愛漫画じゃあるまいし異性同士が勢いよくぶつかると体重の差で両方転げ落ちるなんて事にはならないよな。
現に彼女だけが転んだ。
僕は咄嗟に大丈夫ですかと倒れた彼女の手を掴んだ。
というかこの子普通に可愛いな
目は少しつり目で髪型は黒のポニーテールで胸もそこそこ
それと服装は...おいこれうちの学校の制服じゃないか?
うちの学校は今年から男はブレザーに、女はセーラーに変更されたから
今、ブレザーを着ているコイツは同学年か?それとも上級生か?
そう考えているうちに彼女は勢いよく後方を確認しホッとしたのか肩を落としてこう言った
「大丈夫です、助けて頂いてありがとうございます。」
と。
助けて頂いてありがとうございます?
一体僕は何を助けたんだ?
日本語をまだ理解していない外国の方かと思ったが顔立ちが日本人のそれだ。
なら一体何を?
何かに追われていたとしても《彼女の背後には誰もいない》。
何も分からないまま僕は会話を続けた
「いえいえ、困っている女性を見かけたら助けるのが男の役目ですから」
何を助けたのかは分からないがそれなりにモテそうな台詞を言ってみた。
だって角で女の子とぶつかったんだぜ!?
そりゃこの後にサービスシーンが待ち構えているに決まってるだろ!!
ひゃっっほい!!!!
「あの......」
彼女は口を開いて言った
「どんな特徴でしたか?学校や警察に報告したいのですが...」
特徴...?やっぱりストーカーか何かか?
でもストーカー何て見てねぇぞ
どうする
ここでデタラメ言うのも一つの手だがしかし...
いや、でも彼女は僕が助けたと思っているから多少の嘘はバレないか?
「あの...どうしたんですか?」
!?考えすぎか 現に見てないんだしここは嘘をつくしか...
「い、いやいや特徴ね特徴は...確か赤いTシャツの上に黒いジャンパーを着ていて下はジーパンを履いてたよ!」
ファッションには余り詳しくないんだよな僕
想像するとすっげぇダサいなそれ
信じるのかこんな嘘
「分かりました。本当にありがとうございます。」
信じた。
しかも女の子に頭を下げられた。
「いや、だからいいって!それにさっきも言ったけど
困っている女の子を助けるのは男の役目だって!」
「でも、本当に怖かったので。。。」
「まぁでも無事で良かったよ」
「はい...あれ、そう言えばその制服ってうちの学校のですよね?」
「え?あ、ホントですね良く見たら一緒の学校だ!」
白々しいな僕
「あの...もしよろしかったら名前を教えていただけませんか?」
「......草加 駿河ですけど」
「う〜ん...あっ!駿河問いの駿河ですか?」
「え、あ、はい」
女の子が駿河問いって言った
女の子が駿河問いって言った!
女の子が駿河問いって言った!!
え、なに、今時の女の子ってこんな事言うの!?
ていうか勘違いするなよ!!
僕は決してそんな趣味は持っていない!!
断じてそんな趣味は持っていない!!
僕は女の子のリコーダーを舐めれればそれでいい!!
...ていうかここで相手の名前を聞いても不自然じゃないよなぁ......よし
「ぁ.........」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「.........え?」
刹那
数にして1秒にもみたない。
僕が彼女の名前を聞き出そうと口を開いた瞬間
腕に激痛が走った。
あれ?腕?いや、腕は痛くない。
なんだこの感覚
腕が痛くないけど痛い。
ふと彼女の顔を見ると彼女は青ざめた顔でこちらを見ていた。
するとドサッと何かが落ちる音がした。
何が落ちのかを見てみるとそれは僕の右腕だった。
肩の部分まで切り落とされており、骨や肉まで見え、その腕周辺が赤い。
そしてそれを見て彼女と同じく僕も青ざめた。
そして叫んだ。
それではご清聴下さい。
「イッ...!!」
僕の悲鳴を。
「イッッッッデェェェェェェェェ!!!!!!!!!」
一話で主人公の腕が切れるて...
《お読みいただきありがとうございます。
この小説は完全に趣味で書いたものです。
過度な期待はしないで下さい。
よろしければ 次話も。》