第54話 久しぶりの1人
「うわ~かわいいね」
「へ~この子がオロチの娘なのね……」
イフリートはミズチのほっぺたをツンツンとつっつく。
アリスはうっとりした表情でミズチを見ている。
イフリートのちょっかいでもミズチ全く起きる気配がない。
少し心配になる。
息はしているし大丈夫だと思うが……
「早く起きるといいね」
「ふふ……そうね」
イフリートが怪しいく微笑んでいる。
なにか企んでいるんじゃないのか?
不安だ。
コンコン
ドアが開きシヴァが入ってくる。
「アリス姫、今日の魔術授業を始めます」
「うん、わかった。イフリート、ミズチが起きたら教えてね」
「あいよ、アリスも頑張ってきな」
「うん、行こうシヴァ」
「はい」
シヴァとアリスは部屋から出て行った。
残された俺とイフリートだが、
イフリートが先程とは違い、物思いに深けながらミズチの顔を見て頭を撫でている。
珍しい光景だ。
うむ、ミズチは起きそうにないな。
俺はどうしようか。
夕食までまだ時間があるし。
久しぶりに1人で外にでも出かけようかな。
多分1人で出かけるのは無理だと思うが。
同行者になる予定のイフリートに一応聞くか。
「俺は出かけようと思うんだが、イフリートはどうするんだ?」
「あたいはここに居るわ」
あれ?
いつものイフリートなら一緒に行くと言うのだが……
おかしい。
まあついてこないなら俺1人で出かけるが
でも念のために釘を刺しておくか。
「間違っても変なことするなよ」
俺の言葉にキョトンした表情をしたが直ぐに微笑み
「変なことって何?」
……わかっているくせに聞いてくる。
だがいつものイフリートだ問題ない。
だから任せても大丈夫そうだな。
「……とにかくミズチのことは任せた」
「あいよ、起きたら念話で呼ぶから」
「わかった」
もう一度眠っているミズチを見て俺も部屋から出た。
部屋を出た俺はそのまま外出をすることにした。
中庭でシヴァとアリスに出かけることを伝えると
「いいな~私も行きたいな」
ちらりと甘えた表情でシヴァを見るアリス。
「だめです」
シヴァには、アリスの甘えた表情は効かないみたいだ。
ちなみに俺とイフリートはあの表情をされるとほとんど断れない。
やるなシヴァ。
「じゃあ行ってくるよ」
「ちなみにどちらに?」
「ぶらぶらするだけ」
「……わかりましたいつもの放浪ですね、くれぐれも変なことに巻き込まれないでください。あと何かあったら直ぐに私かイフリートに念話してください。わかりましたね」
俺は子供か!
だがここで反論するとめんどくさくなる。
なので
「わかった、じゃあ行ってくるよ」
「いってらっしゃい!」
「いってらっしゃいませ」
アリスは手を振り、シヴァは頭を下げ一礼する。
さて、久しぶりの1人だ。
何しようかな。
今持っている服は軍服5着と軍礼服2着。あと魔法防御と物理攻撃激減が施されている魔装服1着しか持っていない。
服屋に行って少しおしゃれな服でも買うかな。
あ、それと最近はどんな本が売ってるのか興味もあるから本屋にでも行こう。
いろいろ考えていると楽しくなってきた。
よーし今日は少しハメを外すぞ!!
そう思って出かけたが30分もしないうちに厄介事に巻き込まれた。
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