第46話 ドラゴンナイト
翌日
俺たちは朝食を簡単に済ませ火口入口に向かった。
30分ほど進むと激しい戦闘の形跡があった。
俺たちは警戒しつつ進んだ。すると少し開けた場所にでた。
そしてそこには5体の人間と数匹の魔物の死体が散乱していた。
5体の死体は偵察に来たギルドの人間だろう
片腕がない死体、首が無い死体など損傷がひどい状態だった。
このままではしのびないと思った俺は死体を土に埋めることを提案した
ジェフは時間がもったいないと反対したが、サラとシェリルさんはリーダーである俺に従うと言ってくれた。
俺たちは死体から遺品になりそうなアイテムを採取して5体の遺体を別々に埋め彼らが使っていた剣や杖を墓碑の代わりに立て俺は目をつむり手を合わせた。
シェリルさん、サラ、ジェフも目をつむり黙祷をしていた。
火口入口に着いたが敵はいないようだ。
30年前はヤマタノオロチを守るドラゴンナイトがいたのだが
念のため俺とシェリルさんは探索魔術を唱えたが半径2キロには生きた生物は引っかからなかった。
だが火口奥深くから不思議な気を2つ感じる。
1つは小さな気で
もう1つは今にも消えそうな気だが。
邪悪な気ではないようだが。
だがヤマタノオロチも人型の時は邪悪な気を発していたがそれほど強い気ではなかったので簡単に倒せると思っていたが8つの首を持つドラゴンに変身後は100倍ぐらいの強い気に変わり俺たちはかなり苦戦した。
この時も俺が止めを刺した瞬間にヤマタノオロチと一緒に火口に落ちた。
さすがに俺も死を覚悟したが落ちていく瞬間にヤマタノオロチの首が攻撃してきて俺は吹っ飛ばされ壁に激突し骨の何本かわやられたが吹っ飛ばされた場所が運良く壁のくぼみ部分だったため俺は助かった。
今回はあくまで偵察なのだから、ヤマタノオロチクラスの魔物が出たら即俺の周りに集まり転移魔術で撤退することを伝えたのだがジェフは、
「倒せば問題ない」
自信満々で冷静に答えた。
「だから今の俺たちはただの偵察だ。オロチクラスの敵がでたら俺たちは全滅する」
「ワタシやサラ、そしてシェリル姫がいる。貴様が戦わなくてもワタシたちだけで倒せる」
このイケメンバカエルフは先日の戦いを忘れているのか?
キングオーガにやられて気絶した男が格上魔物であるオロチクラスの相手に勝てると思っているのか? 何を言っているんだ?
イケメンバカエルフなんでそんなに自信満々で言えるんだ。
あ……バカだから言えるのか。
うんうん
「おい!貴様何考えている!」
「……別に」
俺の心の声が聞こえたのかな?
そして何故俺だけハブられるんだ。
……俺が入ってもオロチクラスなら負けるけどな。
「ジェフいい加減にしな……」
俺たちは会話をやめ火口入口を視線を集中し戦闘態勢に入った。
火口入口から老練な1人のドラゴンナイトが出てきた。
「キラ・イチジョウ様ですね。お待ちしておりました」
ジェフは切りかかろうとし、サラは魔術詠唱を始めたが俺は2人を止めた。
「なぜ止める。敵だろう」
「……」
「あちらさんは戦う気がないようだからだ」
俺とシェリルさんは警戒をといた。
だがジェフ、サラはまだ警戒している。
「それに戦うのならこんなに堂々と出てこないさ。だろ?」
「そうですな」
たんたんと答えるドラゴンナイト。
このドラゴンナイト強い……それもかなりのレベルだ。
上級治癒魔術師であるシェリルさんの探索魔術に引っかからなかった。
それだけでもすごい。
もし奇襲で攻撃されていたらと思うと背筋から冷や汗が出てきた。
だが彼は戦う意思がないようだ。
「キラ様の考えがあるようですからここは従いましょう」
「「……ハッ」」
エルフ兄妹はお互いを見て頷く。
「で、なんのようだ、俺がここに来ることを知っていたみたいだが」
「はい、キラ様が今ジパングにいることを我が主が知りまして、どうしてもお会いして頼みたいことがあるみたいでして」
……俺はまんまとおびき出されたわけか。
いいだろう向こうの策に乗ってやるがその前に聞くことがある。
「樹海で冒険者をやったのはあんたか?」
「いいえ、近くに人間の気配は感じていましたが、私ではありません。それにここまで来られていたとしても今の私たちは人間と争うきは全くありません、向こうが襲ってきたら別ですが」
(どうやら嘘は言っていないようです)
(シヴァが言うのならそうだろうな)
30年前も敵でありながら尊敬できる人物がいた。
俺も目の前にいるドラゴンナイトは信用できる人物だと思う。
「では、我が主のところまでご案内させていただきますのでついてきていただけますか?」
俺は頷いたが疑問が出てきた。
(……ん、ちょっとまてドラゴンナイトは「我が主」て言ったよな)
(言いましたね)
ドラゴンナイトの主と言えば……
まさか、生きていたのか!
俺はドラゴンナイトを睨む
「我が主、ヤマタノオロシ様がお待ちです」




