第33話 クラス委員長
「ネイ様が私たちの担任だなんて」
「ダークハイエルフであるネイ様が」
「なんて運がいいのかしら」
「剣術を教えてもらえるかも」
教室がざわめいている。
俺もかなり驚いている。
先日一緒に食事をしたときには何も言っていなかった。
「みなさん、静かに」
ネイの一言で教室が静かになった。
「最初に1人ずつ自己紹介をしていきましょう。では左側の席の方からお願い」
右側のいちばん後ろの席の俺たちが最後か。
順番に自己紹介がはじまる。
王族、貴族ばかりかと思っていたが、一般の生徒や亜人の生徒もいる。
自己紹介が進み次は俺たちの番だ。
アリスを見ると緊張しているみたいだ。
「アリス・・・・・・」
「うん、大丈夫」
手のひらに人の字を書いて飲み込んでいる。
全然大丈夫そうでもないんだが。
そして俺たちの番が来た。
「アリス・シュタイン・イングランドです。ええと、その・・・・・・」
ボソボソと他の生徒の声が聞こえてくる。
「あれがイングランドの、呪われた姫」
「嫌だわ、私呪われないかしら」
「ネイ様が担任なのは嬉しいですけどあの呪われた姫と一緒だなんて」
などなどアリスに聞こえるように言っている気がしてならない。
「・・・・・・よろしくお願いします」
アリスはそのまま席に座った。
かなり落ち込んでいる。
俺はアリスの頭を撫でて
「次は俺かな、キラ・イチジョウです。イングランド王女アリス様の護衛騎士をしています。アリス様に無礼を働く者がいたら容赦はしませんので気をつけてください。あと皆さんと一緒に勉学に励みますのでよろしくお願いします」
俺の挨拶で教室内がまたざわめく。
「キラ・イチジョウてもしかして」
「英雄キラ?」
「30年前に死んだと言われていなかったっけ?」
「生きて戻ってイングランドに仕えて大将軍になったて聞いたけど?」
「本物?」
「若すぎない?」
「はい、みなさん静かに」
ネイの言葉に静かになる教室。
「みなさんも気づいていると思いますが、彼は30年前の英雄キラ・イチジョウです。ヒミコとの戦いのあと行方不明になっていましたが、1月前にイングランドに戻ってきたみたいです。英雄と言われていますが、あなたたちと同じ学院生なので気を使う必要はないのよ」
「あと先ほど一部の方がアリスさんに対してなにか言っていたようですが、二度と言わないように。わかりましたね」
ネイの言葉に全員が
「はい」
と返事をした。
「次にクラス委員長を決めたいのですが、誰か立候補はいますか?」
すると男子生徒が1人手を上げた
「僕が立候補します」
綺麗な金髪の髪に、白い肌、顔もなかなかのイケメンで気品がある、いかにも王族もしくわ貴族のおぼっちゃまに見える。
「えーとラインハルト・フォン・クラージュ君でしたね」
たしか自己紹介でドイツ帝国の貴族と言っていたな。
「はい」
「他に候補がいないみたいなので、クラージュ君でいいかしら」
クラス全員が頷く。
「クラス委員長はクラージュ君に決まりました」
パチパチパチ
何人かの生徒が拍手をする。
それを見た他の生徒も拍手をする。
「副委員長はどうしましょう、立候補する方はいますか?」
誰も手を上げない。
俺ももちろん手を上げない。
「推薦でもいいけど・・・・・・・いなさそうなので指名させてもらうわね、じゃあアリス・シュタイン・イングランドさん副委員長をお願いするわね」
ネイはアリスを指名した。
キョトンとしているアリスは、我に返って両手を前で振って
「わわわ私には無理です」
「やりもせずに無理とか言わないの。クラージュ君もいるし、先生もいるし、何よりイチジョウ君がいるから大丈夫でしょう?」
俺を不安そうに見るアリス。
クラス委員など俺はめんどくさいから嫌だが、アリスがすることで他の生徒と接点ができ、友達も作りやすくなるんと思う。
ネイはそれを見越してアリスにクラス委員に指名したのだろう。
俺はアリスに微笑み頷く。
「・・・・・・はい、頑張ります」
アリスが引き受けたので俺は拍手をする。
ネイが続いて拍手し、クラージュも拍手する。1人、また1人拍手する人が増え、最終的に半分以上の生徒が拍手をした。
「じゃあ、クラス委員の人は放課後、クラス委員会があるからわすれずに出席するように」
「わかりました」
「はい」
「アリスさんよろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして我がクラスの委員長と副委員長が決まった。




