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僕は勇者五代目!  作者: 齊藤さや
第一章~戦うイギ~
4/43

青いやつは元気いっぱい

前回の冒険の書を読みますか?


はい←

いいえ



 そいつは音も立てずにずっと後ろをつけてきていた。

歩いていくと村が遠くなっていく。振り返り村を確認しようとして、ようやく気付いた。


「リザベラ、危ない!魔物(モンスター)だ!」


「えっ?!」

 慌てて飛び退くリザベラ。

 その目線の先には…



 青い滴型のやつ


 そう、スライムだ。


「スライムだからって油断しては駄目だ。最初の相手なんだし」


 スライムはこちらを見ている。どうやらすぐには襲う気はなさそうだ。


「このスライム戦う気は無さそうだよ?それに、後を付いてきただけで何も悪いこともしてないんだし、そっとしておいてあげない?」


 ?!なんてことを言うのだ!魔物を放っておくなどという事は勇者には微塵も考えられなかった。剣を構えるとスライムと向かい合う。


「でもいつ襲ってくるか分からない。倒さなければ」


「じゃあ魔物ならなんでも倒して良いの?リザ、感情移入してる訳じゃないけど、それって不公平だと思う」


 確かに最もだ。こんな会話をしている間もスライムは宙返りしたりぷよぷよしたりとこちらに近づきもしない。


 でもだ。僕は名前からして勇者。勇者は魔物を倒すのが仕事。倒して経験値を得てお金を得てアイテムを得て、どんどん強くなって世界を救うのが仕事。


「それなら勇者、なんで魔物を倒すの?」


「いつ襲ってくるか分からない危険な生き物だし、倒して経験値を積まなければ成長できないよ。いつまでも弱いままでは君を護ることが出来ない」


 言いつつ自分で動揺する。なにちょっと格好いいこと言っちゃってるんだ。



 リザベラは今の言葉を聞いてちょっと、ほんのちょっとだけだが勇者に引いてしまった。格好いいとでも思ってるのかしら?私は真剣に聞いているのに。

でも、経験値の事は考えなかったわ。私も成長したいわ。


「経験値ね……自分が強くなるためには多少の犠牲は仕方ないことなのかしら」



 僕は15歳の頭で真剣に考えた。勇者(ぼく)とは何のためにいるのか?そして、何でこんな哲学的な話になってしまったのか。


「そうは思いたくない。ちょっと考えさせてくれ」


 その時、スライムは宙返りに失敗してこけた。

セーブしますか?


はい←

いいえ


・・・・・・・

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