てはいなかった。
前回の冒険の書を読みますか?
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人気の無い街道を歩いて、街の奥の工場が建ち並んでいるエリアへと辿り着いた。勤務中だからか、はたまた機械の音が大きいからか、僕達が入ったきたことに誰も反応しなかった。お父さんが話してくれたシルジレッドは、もっと金属を打つ音が響いていて活気が溢れていたそうだ。しかし今では時々、規則正しい騒音の合間に、カンカーンと間の抜けた音がするだけだ。
お陰で武器が安く買えるようにはなったのだけれど。
筆で『刀屋』と書かれた看板が目に留まった。注文承りますと添え書きされているので、入ってみることにした。思っていた通り暑い、いや熱い。
「こんなご時世に依頼かい?珍しいね。ちょっと待っててくれないか」
中にいた職人は鉄を打ちながら答えた。一向にこちらを振り替えろうとはしない。鉄を打つ音と工場の騒音が耳に付く。だけれども、前者の音はいくらか心地よくもあった。鍛冶は時間との勝負と聞いたことがある。
「おまっとさん。さて、どんな剣の依頼かな?」
職人はやっと僕達を見ると、目を見開いた。
「お前さん達が噂の二人組かい?もっといかついかと思っていたんだが」
「僕達は守衛なんて倒してないです」
おもわず声を荒げてしまった。
「そうか。この街の魔物達を倒した人達に俺の剣を使ってもらえるかと思ったが違ったか」
「職人魂に火が点くってやつね。もし私達が御触れが出てる危険人物と思われてしまったら追い出されるかと思っていたわ」
「そう考えると職人ってやつは異常な職だな。俺は使う相手がどんなやつだろうと、人を殺したりしなきゃ使ってもらいたいし、例の二人組がどんな剣を使ってたんだか気になるな。
それで、お前さん達はどんな剣が欲しいんだ?」
「ちょっと待ってください。守衛って人じゃないんですか?」
「当たり前だ。この前やられたのはこの街で一番の守衛隊だったらしいぞ。数も100体以上はいたんじゃなかったかな。しかし、それを殆ど再起不能にしちまう少年兵あってみたいなぁ」
僕とリザベラは顔を見合わせた。リザベラも口が「あ」の形で固まっている。
「うん?どうした?」
「前言撤回します。危険人物は今あなたの目の前にいる僕達です」
「お前さん達が倒したのか!ちょっと剣を見せてくれよ」
「折れちゃって今は持っていないんですが、銅の剣でした」
「な、なんとあんな剣でうちの街の守衛隊はやられてしまったのか。お前さんいったい何者なんだ」
「僕は少年兵ではなく、勇者五代目と言います。そして、僕が戦えたのはここにいるリザベラのお陰です」
「守衛がいてもまだまだ安心できないね。可愛い顔して強いなんさそれこそ最強じゃねえか」
「ありがとうございます」
リザベラは満面の笑みを浮かべている。
「今更言いにくいのですが、所持金が少ないんです。働き手がいる場所とか知りませんか?」
「そんな強いのに銅の剣なんざぁ宝の持ち腐れってやつだ。俺がお前さんにお似合いの剣作ってやる。守衛だと知らんで倒したんだし、そんなに澄んだ瞳の人は悪人ではあるまい。最近は鉱石があまり取れないんで、今ある内の最高の剣作ってやるから是非使ってくれ」
「いいんですか?」
「あぁ。お前さんに使ってもらえれば冥利に尽きるってもんだ。日没までには完成するだろう」
そうして材料を持ってきて、職人は再び打ち物を始めた。
3時間ほどたった頃、
「できたよ、ステライトの剣。いやぁ、自分で言うのもなんだが、傑作だよこの剣は」
出来たばかりの剣は、眩しいほどに光輝いていた。
「こんな素晴らしい剣をありがとうございます。このご恩は一生忘れません」
「それでは、私達はこの街にいるべきでは無いようなので、もう行きますわ」
こうして、剣を得た勇者とリザベラは、そのまま街を後にした。
冒険の書に書き込みますか?
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・・・・・・・・
書き込みました




