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僕は勇者五代目!  作者: 齊藤さや
第二章~強くなるために~
31/43

意思表示はそれぞれの言葉で

前回の冒険の書を読みますか?


はい←

いいえ

 階段をおりた先には街が広がっていた。すべてが岩を削って出来た街である。一軒家もアパートも店も。街はいつでも夜のらしく、建物からは明かりがもれている。


「丘の中がこんなことになっていたなんて」


 先ほどの男も階段をおりてきた。


「さあこちらです。まず長老に挨拶しに行きましょう」


「分かりました」


 歩きながら男と話した。


「私タリス=クロワーナと言います。この街の番人していて、誰か来ると、さっきのよう待っているのです。あなたは?」


「僕は勇者五代目です。そして、こちらはリザベラで、同じく僕や僕のお父さんが住んでるカダルナ村から来ました」


「リザベラさんですか。お美しいですね。ここ暗くてよく見えないのが残念です」


「そんなこと無いですわ」


 紹介をしている間に着いたようで、タリスはある家の前で立ち止まった。


「ここ長老の家です。私先に入りますね。¥◆◎○☆▼●」


 リザベラと僕は驚いて顔を見合わせた。恐らくは長老に喋ったんだろう。相手の声も聞こえてくる。そして小声で話す。


「今何て言ってたんだろう」


「分からないわ。私達とは違う言葉を使う人々はまだいたのね」


「そうみたいだな。リザベラの呪文は聞き取れはするのに。ここの言葉は発音すら聞き取れない」


「勇者にバレるなんてリザもまだまだ修行が足りないわね」


 魔法使いが尚更怖くなった。リザベラもいつかなんの前触れもなく魔法を出す時がくるのだろうか。

 そんなことを考えていると、タリスが入って良いと伝えてくれた。


「勇者五代目、リザベラよくこのフィドリャ来てくれました。疲れを癒していってください」


 なんだ、長老も話せるんじゃないか。


「お心遣いありがとうございます」


「何かあったら遠慮なくこのタリスに申し付けてくれないか」


「ありがとうございます。

ところで長老様、いくつか質問してもいいですか?」


 もちろん、今のは好奇心旺盛なリザベラである。


「わし答えられる範囲ならどうぞ」


「ではまず一つ目、何でわざわざ丘の中に住んでいるのですか?」


「この子達なら話しても平気だろう。しかし、それ話すと長くなる。タリスよろしく」


「わかりました、長老。では私、代わりに話します。まだフィドリャ丘の上にあった100年と少し前、この火山に呪われた旅人来ました。一度どこか去って、また現れた旅人沢山の魔物と共に現れました。魔王操られた魔物達は、フィドリャ壊しだしました。そして、とうとう街無くなりました。私達フィドリャ人は、通りかかった勇者と言う名の人誘導してもらってこの地下逃げたので助かりました。勇者、魔物も退治してくれました。だからもうこの街誰も来れないよう、フィドリャ失われた街にすること決めました。今でもこうして隠れ生きているのです」


「そんな話したくないような昔のことを聞いてしまってすみません。私達が勇者の末裔だから特別に入れてくださったんですわね」


「そうだ。これまで3人の勇者にこの話伝えてきた。勇者さんなら受け止めてくれるだろう思ってるんじゃが」


「僕もしっかりと受け止めたいと思います。それにしても突然街を襲う魔物なんて恐ろしいですね」


「わしは実際に見てないからよくわからんが、祖先はそりゃあ辛かっただろう。

リザベラさん、もう質問いいのかね?」


「じゃあもう一つだけ。

フィドリャの皆さんが使っている言葉は何ですか?」


「☆@●▲◇¥◇★

これかね?フィドリャ語言って大昔使っていたらしい。地下住むようになって、また使うことにしたんじゃ。もうわしとタリス以外はフィドリャ語しか話せん。因みに、今のフィドリャ語って言っただけだ」


「昔からある言葉なんですわね。ありがとうございます」


「お二人さんもそろそろ休みたいじゃろう。タリス、泊まるところに連れていってやりなさい」


「分かりました。勇者さん、リザベラさん、こちらです」


 少し歩くと、豪華な家があった。


「ここ私と家族の家です。どうぞ泊まってください」


「「お邪魔します」」


 入ってみると、家具などは最小限のものしかなく、とても広々とした家だ。先程からほのかな灯りに照らされていたので、僕達は少し眠たくなってしまった。

 折角なので、ベットを借りて仮眠をとることにした。布団が敷かれていて、とても快適に眠れそうだ。


「では、私達は外出していますのでごゆっくり」


「わざわざお気遣いすみません」


「いえ、もともと用事あったので」


 しばらく経つと、リザベラが話しかけてきた。


「あの二人片言だったわね。いつも使わない言語なのによくあれだけ話せるわね。リザベラだったら忘れちゃうわ」


「きっとそれほどまでに僕達勇者のことを大事に思ってくれてるんだろうね」


「でもどうして丘の中に住んでいるのか、今一ピンと来なかったのよね」


Zzz……


「あれ?勇者寝ちゃった?じゃリザも寝よう」



冒険の書に書き込みますか?


はい←

いいえ


・・・・・・・・・


書き込みました。

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