いざ変わるのは辛いもので
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スチルマは地を踏みしめた。まるで地震でも起きたかのように揺れる。立っているのがやっとだった。これは先制攻撃と取るべきなのか?
「どうやら戦うしかなさそうね。リザ達に勝てるか不安だけど」
「どうみても場違いな大きさだしな」
3メートルは越えているだろう。さっきまでちらほら見えた他の魔物も何処かへ隠れているようだ。
「本来は二つ後の街の先にいるハズなのに、紛れこんちゃった種類だからね。サイムゾラ」
だからさリザベラ、会話の中で突然呪文言うの止めない?と心の中で突っ込む。
リザベラの手からは水でできた弾が発射されて胴に当たり、スチルマはよろめいた。しかし、よろめいただけだった。
「まさか……これが効かないなんて」
「今のはそんなに強い呪文だったの?」
「そうよ。リザが覚えている中でかなり強力な呪文の一つだわ。ラスレビラ」
すると、スチルマの頭上が光って稲妻が落ちてきた。効いたのか、動きが止まった。今がチャンスとばかりに、僕はスチルマの足を力一杯何度も切りつけた。
「勇者、そろそろ離れて!」
「えっ?」
時はすでに遅し、僕はスチルマに蹴飛ばされた。100メートル程飛ばされ、かなりダメージを受けた。全身が痛い。それでもリザベラを置き去りには出来ないので、全速力で走った。歩いているとしか見えないかもしれないけれど。
ただ、僕の攻撃も無駄では無かったようでスチルマは右足を庇うように動いている。
「勇者、骨折れてない?ケルラ。無理はしないでね。リザベラまだいけるから」
「えっ?あぁ、折れてないみたい。ありがとう。今ので少し楽になったよ。でもリザベラだけには任せられない」
スチルマの反撃が始まった。パンチやキックが乱れ飛ぶ。僕達は必死で避けた。ただ、一つ良かったことがある。大きい故の遅さだ。ひとつの攻撃を避けた後に、大分間がある。
自分がする攻撃が全て外れることに腹がたったのか、スチルマはウガァァと唸り出した。
相手のスピードが上がり、体力も減ってきて、避け続けるのもそろそろ難しい。決着をつけなければ。
「僕がとどめをさしてくるから、リザベラは気を反らしてくれないか?」
「わかった。やってみるわ」
僕はスチルマめがけて走っていく。物凄い形相の顔がこちらを向く。
「あなたの敵はこっちよ。クラシン」
スチルマは目を押さえてウゥヴと叫んでいる。その隙に、心臓めがけてジャンプし刺す。
でも心臓には届かない。それでもかなりのダメージを与えたはずだが、耐えている。
「勇者、もう一度行くわよ」
「でも、届かない」
「いいから跳んで!早くしないとまた攻撃し出しちゃうから」
助走をつけてもう一度跳ぶ。
「エリラ」
どこからか吹いてきた風に乗って、僕の体は高く跳んだ。スチルマを越すほどに。
しかし、上昇気流は一転して突き落とすような風に変わった。体勢を直し、急いで心臓を狙って、強く握った剣を振りかざす。
スチルマはガッと短く言うと、そのまま仰向けに倒れていった。
「やったわね!勇者」
「色々言いたいことあるけど、生きてるからまあ良しとしよう。
ありがとうリザベラ」
「何言ってるのよ。二人で倒したんじゃない。リザベラ、もうこれ以上は呪文使えなかったわ。こんなに沢山使ったの初めてだから」
「僕もリザベラに助けてもらったとはいえ、やっぱり体中痛む。今日はもう休もっか」
「そうね」




