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僕は勇者五代目!  作者: 齊藤さや
第一章~戦うイギ~
12/43

環境に優しいリユースびん

お久しぶりです。

前回の冒険の書を読みますか?

はい←

いいえ

 それから二週間ほど歩いた頃だろうか。もう日付感覚が全く無い。地形は野原からケスタへと変わっていた。魔物も三十種類程……そうじゃないでしょ……三十六種類見つけた。新種もいなければ、絶滅したのではと思うほど見ない魔物もいない。

 だがこれが意外と時間を食ってしまう。


「ここら辺にメタリックスライムがいるはずなんだけど」


と聞いたときには無視しようと思いかけた。メタリックスライムだけに二日かかった。途中で会った旅人は、

「もしメタリックスライムに遭ったら戦って見ると良い。逃げ足は早いが、勝てば経験値が山のようににもらえる」


「だから、経験値ってなんなのよ。負けたらもらえないものなの?」


「もしメタリックスライムに遭ったら戦って見ると良い。逃げ足は早いが、勝てば経験値が山のようににもらえる」


「リザベラ、たぶん何度話しても無駄だよ。取り合えず見つけないことには先に進めないんだろ?早く探そう」


 まあ、そんなことを言っていたのだが、もちろん戦わなかった。

気になったんじゃないのか。僕は気になったよ。逃げていくアイツが恨めしかったよ。


 そうそう、今はちょうど目の前に滝が見えてきたんだった。


「滝の下の方になにかありそうじゃない?」


「確かに。光っているしね。行ってみよう」


 近くまで来ると、マイナスイオンと言うのだろうか、とても落ち着き、爽やかな気分になってきた。

水も透き通っていて、底まで見えそうだ。


「そこじゃなくて滝の下!やっぱりあるわ」


「取ってきてみるよ」


「お願いね」


 幸い、滝の辺りは浅くなっていて、歩いて行けた。それでもやはり、水飛沫は僕の体を散々に濡らした。


「ビンが数本滝に打たれてる!」


「一本持ってきてよ」


「ごめん、よく聞こえない」


「なんて言った?」


「もう一回言って」


「一本持ってきてよ」


「分かった」


 取ってみると突然滝が二つに割れて、洞窟が……


 なんて事はもちろんなかった。

ビンの中にはおそらくここの水だろう、透き通った液体が入っていた。


「はい、これがあった」

 手渡すと、リザベラはフタを開けて飲み干してしまった。


「美味しかった!勇者ありがとう」


ええ、どういたしまして……っておい!


「中身知ってたの?」


「当たり前じゃない。リザ、薬屋の娘なんだから。

 これはね、聖水って言うもので、飲むだけで元気になる魔法の水よ。他にも色々と使い道があるんだけどね」


「へぇ、そんな物があるんだ。僕が飲んでも大丈夫だよね?」


「あ、飲みたかった?じゃあ、取りに行くついでにこれ返しといて」


 空になったビンとフタだ。


「水入れとけばいいの?」


「フタ閉めて滝の下に置いといて!いつかエルフが水入れてくれる」


 空のビンを置いて、僕も聖水を飲んでみた。普通の水と味は変わらないのだけれど、力がみなぎってくる。


この世界にはまだまだ驚きがありそうだ。

冒険の書に書き込みますか?

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いいえ


・・・・・・・

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