あんたは…?
俺達はマンティコアを倒して帰っている。
「約3時間振りの地上の空気、いいね」
・・・・ダンジョンでの時間、思ったより経ってないですね。
たしかに、体感1日経った感じするわ。聖なるピッケル見つけて、マンティコアを倒したからな。そりゃあ長く感じるよ。
「ダンジョン終わったから、次なにしよう?」
ダンジョンやったからな。うーむ。暇に過ごしたくないしな。なんかないかな。
・・・・なにか今のうちにしておきたいことをやってみたらどうでしょう。
うーん。やっておきたいことか…なんもない気がする。
「ん?」
なんか通り過ぎたけど、なんだろうな。見てみるか。
・・・・どうしたんですか?
「いや。なんか通り過ぎた気がして」
通り過ぎたやつを追って走る。
「うーむ。この辺な気がするんだが…」
気のせいだったのか?いやでも、そんな感じではなかった。直感だがそんな気がする。
「こっちか!!」
今そいつが動いた気がする。これも直感だ。だがその直感を頼りにするしかない。なにもなかったらそれでいい。だがそれが悪い事態になるなら今止めるしかない。
体が見えたぞ。
「オラァ!」
とっさにピッケルを投げた。完璧なコース。当たる!
ピッケルが当たろうとしたとき…
「何ッ!」
取られた。片手で取られた。想定外だ。こちらの動きを読まれていたのか?
すると金髪の同年代くらいの女の子がでてきた。
「流石に2回目は当たらないぞ」
2回目どういうことだ。これはマンティコアにしか見せてないぞ。どういうことだ?
「誰だ。お前は?」
「自己紹介するときに先に自分が名乗るのが礼儀じゃないのか?そう聞いているが」
聞いている?誰かに教わったということか?
「そうだな。俺はステラス・ユート・ディスティンというものだ」
素直に従い名乗った。
「そうか。よろしくなエニグマさん」
「!」
なぜ知っている?エニグマはダンジョン内で初披露したんだぞ。あの場にいたものしか知らないはず…
『マンティコアさん!』
その言葉で完全に理解した。今ここにいる彼女のこと。そしてなぜエニグマを知っているのか。
「そうだ。マンティコアだ」
「ちょ待てじゃあなんで俺がエニグマと分かった?」
そうだエニグマ以外の姿はマンティコアに見せていないはずだ。
「この武器だよ」
と掴んでいたピッケルを掲げた。
「この武器は聖剣の部類で世界で1本しかない。そしてそれを持っていたのはエニグマだ。そこから推測すれば簡単だろ」
そういうことか。考えてみれば簡単だな。
「それじゃあもう1つ質問だ」
俺が聞きたいのはもう1つある。それは…
「なんだ?」
「君は転生してきたのか?」
そう転生だ。この世界の本で転生というものがあるのは知っていた。マンティコアから人間になるというのは転生以外考えにくい。
「そうだな。私は1回死んで転生した」
「天界で神さまに会ってな。お前には転生させてやるって言われたよ。まああとはその神さまに色々聞いて礼儀とか教えてくれたな」
その神さまにも会ってみたいものだな。どんな人なんだろう?
「そうか。じゃあこれからどうするんだ。自由に決めていいぞ」
まあ人生を豊かにしてほしいしな。
「そのまえに話しておきたいことがある」
なんだろう。真剣になって。
「どうしたの?」
「私を解放したやつについてだ」
それは気になるかも。
「そいつは私を利用しようとしていた」
「え?利用?なんで?」
「実験とか言っていたな。それ以上はなにも言っていなかった」
なんの実験だ?危なくないといいけど。
「なるほど」
「だからそういうやつがいるから気を付けてってことだ」
「了解。肝に銘じておくよ」
「じゃあどうするの?」
「答えは1つだろ。お前についていくぞ」
「は?」
なんで?ただそれしか出てこなかった。
「お前といるとなんか楽しそうだし、何より強くなれそうだからな」
「いや。あなた元から強いでしょ」
と咄嗟にツッコんだ。
「お前みたいに強くなりたんだ。私は」
強さを追い求めているのか。前世のマンティコアの本能というべきか。そういうのがまだあるのかな?まあ元がマンティコアだからな。そういう部分は個性だし、尊重してあげるか。
「いいよ」
「さっきから気なっていたがそのナーガはなんだ?」
『オリンだよー』
「おお!そうかよろしくな。オリン」
仲良くやってくれそうだ。よかった。
「じゃあよろしくなマンティコア」
「マンティコアというのはおかしいと思わないか?私はもうマンティコアではないし」
「たしかにだな。じゃあなんと呼んだらいい?」
「じゃあ決めてくれ」
「え?俺が?」
なにも考えずそれがパッと声に出てきた。
「うーん」
難しいな。こういうのあんま得意じゃないんだよな。
パッとオリンを見た。
オリンは天使から取ったんだっけ?じゃあ同じく天使の名前から考えるか。
うーん。じゃあ7大天使からつけよう。そのなかでも天軍の総帥の役割をするあれを少し変えたものにするか。
「ミカリスはどうかな?」
ミカエルからミカをとってミカリスだ。いいと思うんだけど。どうかな?
「いいぞ。気にいった」
「そうか。よかった」
気に入ったか。なんか寮の中どんどん増えてってるな。流石にバレたらまずいし…どうするか。
どっか別荘でも買うか?そうするか。
「行くか」
「行くってどこだ?」
疑問そうにミカリスが言った。
「君の家を探すんだよ」
「いや。野宿でいいぞ」
「なに言ってんだよ。君はすごいけど中身は人間だぞ。野宿したら簡単に寒さにやられるぞ」
と説教じみた声で言った。
「そうなのか?では仕方がないな」
「じゃあ行くぞ」
・・・・では1つ提案したいのですがいいですか?
「なんですか?」
「なんだ。お前誰と話しているんだ?」
「天の声だよ」
とさっと流すように言った。
・・・・いいですか?
「すいません」
・・・・家ならすぐ建てられますよ。
「え?マジっすか。ならよろしくお願いします」
この島の近くがよかったから助かるわ。
・・・・要件があればなんでも言ってください。
「はい。では——」
コソコソと話し、外装、内装、建てる場所を決めた。
・・・・では2時間くらいにできるのでそれぐらいに来てください。
「はい。お願いします」
一応別荘って感じにするから、みんなでいられるような感じで決めた。
「なに話していたんだ?」
「ああ。家は作ってくれるらしいから探さなくてもいいぞ」
「おお。そうか」
困惑の様子。
・・・・あ!あと言い忘れていたんですが、一応この島の領主になってくださいね。
「なんか領主じゃないとだめなんですか?」
・・・・ここを拠点にし、色々やりたいので領主になれば楽かなと。
「そういうことね。なるほど」
首を縦に振った。
「俺もこの島で色々やりたいのでいいですね」
・・・・ではよろしくお願いしますね。
「こういうのって書類とお金を出せばいいんでしたっけ?」
・・・・そうですね。
「寮に戻ったらやっておきます」
・・・・お金は大丈夫ですよね。
「あー。大丈夫っす。前に行ったときのお宝あるんで」
・・・・どれぐらいあったんでしたっけ?
「たしか、7000万金貨分のお金っすね」
・・・・でしたね。多分、800万でできると思うので。
「了解です」
この後なにしよう。道草でも食うか。
「うまいのか?この薬草?」
俺達は平原に来ていた。
「この薬草は食うものじゃないぞ。人間が食うと一時的に腹壊すぞ」
「マジか。あぶね」
これ食ったら必死にもがいていたってことになっていた。
「でもな。たしか、成分を抜き取ると回復薬になるぞ」
「へー。じゃあいっぱい取って栽培しようかな」
「栽培してなにすんだ?」
「たくさん売って稼ぐんだよ。へっへ…」
怪しい顔で言った。
「意外とずる賢いんだな」
「ずる賢いじゃない!これは楽して生きるための巧妙な知恵だ」
「まあいいや」
呆れた様子。
それから草刈りをし、薬草を取った。
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