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童貞メガネ  作者: リチャード裕輝


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童貞メガネ:ユイの物語

この物語には、暴力や性的な表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。


童貞メガネ:ユイの物語


プロローグ:冴えない私と、メガネの誘惑


私は、田中誠くんの幼馴染、ユイ。


私にとって、誠くんは昔から「良い人」だった。幼稚園で泣いていたらハンカチを貸してくれたり、忘れ物をしたら一緒に探してくれたり。ただ、それだけ。特別な感情はなかったし、これからもずっと「良い人」でいるんだろうと思っていた。だから、彼に告白された時、どうして良いか分からなかった。「ごめんなさい、友達としてなら……」と遠回しに断ったのは、彼を傷つけたくなかったから。


そんな誠くんが、最近変わった。いつもは俯きがちだった顔を上げ、クラスの中心にいたケンジくんと対峙していた。クラスの中心で、みんなを笑いものにしていたケンジくんが、誠くんの一言で黙り込むなんて、信じられなかった。


その日の放課後、私は保健室に向かっていた。足元がふらふらして、頭がガンガンする。誠くんがかけているのとそっくりの、黒縁メガネのせいだった。


先日、担任の田中先生から呼び出された。「ユイちゃんは、特別な才能を持っているわ」と微笑みながら、このメガネをくれた。先生は私に、このメガネは**「心を映すメガネ」**だと説明した。これをかけると、その人が本当に求めているものが見える。それを手助けすれば、誰からも愛される人間になれる、と。


私は、愛されたかった。誰からも「良い子」でいることを求められ、本当の自分を隠してきたから。そして、いつか本当に愛する人と出会い、その人だけに自分の純潔を捧げたいと願っていた。だから、先生に言われるがまま、このメガネをかけて、言われた通りにしてみた。


びっくりすることに、田中先生の頭には「100」という数字が浮いて見えた。私は、それが「心を映す数字」ではないことに気づいた。その瞬間、頭の中に**「使用回数:0回」**という通知音が響き、頭痛と吐き気が襲ってきた。


恐怖と動揺、そして誠くんとの再会


保健室のドアを開けると、そこには田中先生がいた。彼女の笑顔は、まるで能面のように冷たかった。先生は私を抱きしめ、囁いた。「大丈夫よ、ユイちゃんを私の特別な生徒にするわ」。その腕の中は冷たかった。


「誠くんのことも見えたでしょう? 彼もあなたと同じ、**『0』**よ」


先生はそう言いながら、私の体に触れてきた。最初は優しく、そして徐々に力を込めて。私は怖くて、体を硬くした。頭の中で警報が鳴り響く。


「嫌だ…」


声にならない声が、喉の奥で詰まった。先生は、私の抵抗を気にする様子もなく、冷たい手で私の下着を脱がせた。「大丈夫よ、ユイちゃん。すぐ終わるから」その言葉は、まるで何かの儀式のように響いた。


先生は、私の身体を弄びながら、私の胸に触れた。その冷たい感触に、ゾッとした。「私のより、ユイちゃんの方が柔らかいわね」先生はそう囁き、私の目をじっと見つめていた。その瞳は、何かを求めているようで、私には理解できなかった。


「ね、ユイちゃん。これで、あなたは特別な生徒になったのよ」


先生はそう言うと、持っていた冷たい金属の塊を、私の体に押し当ててきた。**「痛い!」私は悲鳴をあげたが、先生は表情ひとつ変えない。スカートには、赤黒いシミが広がり、それが私の震えを物語っていた。体が奥から冷えていくような、魂を抜かれるような感覚だけが残った。先生は、そんな私にメガネをかけた。その瞬間、私の頭の上に「1」という数字が浮かんだ。それは、先生が私に与えた、初めての経験。しかし、私にはそれが、まるで「汚された」**ことを意味する数字のように思えた。


その時、保健室のドアが開いた。そこに立っていたのは、誠くんだった。


彼は私のそばに来て、田中先生に何か言っていたけれど、頭が痛くて、何も聞こえなかった。ただ、彼の頭の上に**「0」という数字が浮かんでいるのが見えた。そして、誠くんが田中先生から私を守ってくれた時、彼の頭の上の「0」という数字が、「1」**に変わるのが見えた。


私は怖かった。自分の身体が、誰かの**「経験」**によって汚されたように感じた。誰かに愛されるために、自分を差し出すことに、吐き気を覚えた。


誠くんは、そんな私を助けてくれた。彼の頭の数字は、一瞬**「1」になったけれど、すぐに「0」**に戻った。それは、彼が誰かの「経験」を背負い、自分の「純粋さ」を守り抜いた証拠のように思えた。


私は、誠くんが私を抱きしめてくれた時の温かさを、忘れることができない。彼は、私の**「1」**を、私と一緒に受け止めてくれたんだ。


ユイの決意、そして最後の場所


私は、もう二度とあの場所に戻りたくなかった。田中先生の冷たい手とスカートの赤黒いシミが、何度もフラッシュバックする。誰も信じてくれないと絶望していた時、誠くんから電話がきた。「田中先生を屋上に呼び出した。一緒に来てくれないか」という言葉に驚いたが、真実を求めて彼と夜の学校へ向かった。


屋上へ向かう道すがら、誠くんは淡々と語った。「あの夜、お前の頭の**『1』と田中先生の『101』**の意味は分かっていた。このメガネには隠された機能があると予感していたんだ」


彼の声は力強く、どこか冷たかった。「先生の数字や怪しい通販サイトのメール。全てが繋がっていく。先生は深い闇の中にいたんだ。もう迷わない。この歪んだ世界を終わらせる。それができるのは、童貞メガネの真実を知る俺だけだ」


彼は私の手を取り、再び私にメガネをかけた。「先生がどんな人間か、君自身の目で見てほしい。僕が何をするのか、確かめてくれ」


屋上のドアを開けると、冷たい風が吹き荒れ、月明かりの下に田中先生が立っていた。いつもの優しい笑顔はなく、頭には**「100」**という不気味な数字が光っていた。


先生は歪んだ笑みを浮かべた。「あら、ユイちゃんまで。これは、最高の授業になりそうね」


誠くんは私の前に立ち、覚悟を決めた。「先生…どうして、こんなことをするんですか?」私の問いに、先生は嘲笑うかのように歪んだ笑みを浮かべた。


「どうして、ですって?…私は、この学校の卒業生なのよ。私だって、校長先生にされたの。そして、その姿を写真に撮られた。純粋なままの私を、永遠に保存したい、ってね」その言葉で、私は全てを理解した。先生の歪んだ世界は、校長先生によって作られたものだったのだ。


「でも、私もその人たちを汚してあげた。あなたたちみたいに、純粋なままの子供たちを、私と同じように汚してあげたわ。そうすれば、私は一人じゃなくなるから…」


先生は、誠くんと私の目をじっと見つめていた。誠くんは私を守り、この歪んだ世界を終わらせるために、静かに前に進み出た。


「先生も被害者なのに、なんで同じことを繰り返すんだ…」誠くんは苦しげに呟き、震える声で続けた。「俺は、もう…お前みたいに、誰かの『1』になりたくない…」


消えない「1」


そして、先生は恍惚とした表情で誠くんを迎え入れた。二人は、静かに、そしてゆっくりと互いの体を受け入れあう。それは、見るに堪えない、歪んだ儀式のように私には見えた。


先生は誠くんの体をまさぐりながら、楽しげに囁いた。「良いわぁ、あなた…とても純粋ね」


誠くんは、何も言わずに先生の下半身へ、ゆっくりと自らの体を差し入れた。すると、先生は快感に身を震わせ、苦しげな吐息を漏らした。「ああ…良いわ、とても良いわぁ…」


誠くんは、先生の身体をまさぐりながら、ゆっくりと腰を揺らす。先生は陶酔し、身体をびくつかせて、誠くんの耳元で囁いた。「…ああ、いくわ…」

先生の身体は、まるで電流が走ったかのように、激しく痙攣した。瞳孔は開ききり、白目を剥きながら、恍惚とした表情で誠くんの背中に爪を立てた。全身から力が抜け落ちたかのように、田中先生は完全に誠くんの腕の中にその身を預けた。


誠くんは決して田中先生の身体の奥まで入れようとはしていなかった。ただ、先生の中で腰を揺らし続けていたのが、それは、愛でも憎しみでもない、ただの儀式のように私には見えた。


「もういいんだ。…俺は、俺自身で、この物語を終わらせる」


そして、誠くんが私に微笑みかけると、彼の頭の**「0」がゆっくりと「1」**に変わっていくのが見えた。先生は勝利を確信した。


「そう、それが正解よ。誠くん、あなたは**『私の』**特別な生徒…」


その言葉が終わる前に、誠くんは田中先生の首を絞めた。


私の悲鳴が響く。田中先生の表情は驚きから絶望に変わり、頭の**「100」は「0」に変わった。その瞬間、誠くんの頭に通知音が響いた。「残りの使用回数:0回」。彼の頭の**「1」がゆっくりと「0」**に変わっていくのが見えた。私が安堵したのも束の間、突然、頭の数字が今度は赤色の「1」**に変わった。


「これは…?」と私が尋ねると、彼は淡々と答えた。「このメガネの、本当の使い方だ。童貞メガネのモードを、**『殺した数』**に切り替えたんだ」


彼はメガネの小さなボタンを押した。「リセットボタンだ。これで僕が殺したことにならない」


ボタンを押すと、彼の頭の赤い**「1」**は消えた。彼は何事もなかったかのように、冷たい顔で言った。「帰ろう、ユイ」。


私たちは何も言わずに学校を後にした。翌朝、田中先生は自殺として発見された。


私は、誠くんが私を助けるために手を汚してくれたことを知っていた。そして、彼の頭に、見えない赤色の**「1」**が、私には見えているような気がした。


それは、私を救った数字であり、彼が背負った、決して消えることのない罪の数字だった。


END

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