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◆ 1話 自由なあの子

 午前の授業も終わって今は昼休み。


 授業も終わり、昼飯を食べ終わって昼寝でもしようかと考えてると先輩からメールがきた。


『come on』


 英語って・・・ てゆーかこいってどこに?


 メールを返信。


『自分で考えなさい』


 無茶苦茶だ。


『ヒントは屋上』


 それって答えなんじゃ…


『早く!』


 はいはいわかりましたよ。


 俺は昼寝をあきらめ、しかたなく屋上へ向かった。






 そして屋上に出る扉の前。


 疲れた・・・ 一階から四階の階段を食後に登るのはさすがにきついな。


 ってあれ? たしか屋上って立ち入り禁止なんじゃなかったか? 扉もカギがかかってたはずだけど。


 なんて思いつつ扉を開けて屋上に出ると、先輩が腕をくんでえらそーに立っていた。


「遅い!」


 いきなりむすっとした顔で怒鳴る先輩。


「無茶言わないでください。これでも急いだんですから」


 それなりに。


「ったく、てっきり交通事故にでもあったのかと心配したじゃない」


「いや、それはないです。ここ学校ですし」


「まぁなんでもいいわ! それよりまだ自己紹介してないでしょ?」


 自己紹介だと? いったい何を言いだすんだこの人は。


「自己紹介って、先輩にですか?」


「ばかね! 今更私にそんなもんしてどーすんのよ! 読者によ! 読者!」


 先輩はなぜか怒りながら俺を指差す。


 ドクシャって何だ!?


「すいません、意味がわか一」


「早く!」


 キツイ目で睨んでくる先輩。


 元々目つきが悪いせいもあって、かなり迫力がある。


「わ、わかりましたよ。 やればいいんでしょ」


 俺があきらめると、先輩は笑顔になり、


「じゃあスタート!」


 と言って指を鳴らした。


「えーっと」


「どこむいてんのよ! あっちよあっち!」


 何もないところを指差しながら怒鳴る先輩。


 ほんっとわけわかんねぇ…


 俺は言われたとおりの方向に、訳のわからない自己紹介を始めた。


「えっと、赤坂(あかさか) (シュウ) 16歳、高一 これでいいですか?」


「身長も」


「175cm」


 これ何の宗教活動?


「じゃあ次は私ね! 名前は米原(よねはら) 綾香(アヤカ)! 17歳で高校ニ年生よ!」


 まさかの先輩もパターンか!?


「身長は167cmくらいかしら」


 何も無いところに向かって元気に自己紹介を始める先輩。


 てゆーか今更ながら誰に話しかけてんだ? ドクシャ…だっけ? 変な宗教団体にでも入ったとしか考えられないな・・・


「趣味は一」




 この後も先輩の訳のわからない自己紹介が10分ほど続いたので省略。


「ふう、ざっとこんなもんね!」


 綺麗にまっすぐのびたロングの髪をくるりとさせ、俺の方を振り返る先輩。


「終わりましたか?」


「ええ、終わったわ!」


 とてもさわやかな笑顔で言う先輩。


「そうですか。 じゃあ俺は帰ります」


 そう言って帰ろうとすると、


「待ちなさい!」


 先輩は俺の肩をつかみ、俺をストップさせる。


「なんですか? もう用は済んだんじゃないんですか?」


「何言ってんのよ! まだ何もしてないでしょ!」


 じゃあさっきの自己紹介はなんだったんだ…


「わかりました。 何をすればいいんですか? それ終わらせて戻りますんで」


「今から物まねするから見てなさい」


「見てるだけ、ですか?」


「ええ、見てるだけ」


 見てほしいって… 何? もしかして変態?


「んじゃ始めるわよ!」


 先輩はそう言うと、屋上にある転落防止のためのフェンスに両手をかけ、どこか遠くを見つめて語りだした。


「もう嫌! こんな毎日イジメばかりの生活… 耐えられないわ!」


 うわ強引に始めたなぁ。


「あの…」


「なによ?」


 むすっとした顔で振り向き、睨んでくる先輩。


「それ、何のマネですか?」


 とりあえず気になったので聞いてみる。


「自殺志願者」


 なるほど、そうきたか。


「…わかりました。 続きをどうぞ」


 自殺志願者か、なんてブラックな物まねをするんですかあなた・・・


「今日はクツがなかったわ… ミカのしわざね」


 先輩はまた自殺志願者のマネを再開した。


「アミは机を隠したわ…」


 イジメを苦に自殺を希望するって設定か。


「サユは消しゴムを隠したわ…」


 地味だなおい。てかどんだけ陰険な嫌がらせうけてんだよ。


「そして一番許せないのは…」


 いよいよラストスパートか?


「毎日毎日熱っぽい視線を送ってくるリナ! 耐えられないわ!」


 いや、それはたぶんイジメとかじゃないと思うんですが。


「ここから飛び降りたら楽になれるかしら…」


 あぁ、変な流れのままシメに持っていくのか。


「鳥はいいわね… 自由で優雅で綺麗で自由で…」


 ぁ、今、自由って二回言ったよな。


「うるさいわね!」


 突然振り返った先輩は、とても不機嫌そうな顔をして睨んでくる。


「ぇえ!? 何も言ってませんよ!?」


「なんか聞こえたの! まぁいいわ、帰りましょ」


「もういいんですか?」


「飽きた」


 先輩はそう言い残して屋上から出て行った。


 そして俺は一人、屋上に残される。


「えぇぇ・・・」


 ナニコノ放置プレイ。


「・・・戻ろ」



 さて、明日はどんな無茶をしでかすのやら・・・


前に書いたやつをこっちでリニューアルして、もっかいやりなおしまーす!

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