第十四話 舞い散る雪降る二人の誓い
…そうですか。やっぱり凛ちゃんは残ったんですね…星川さんの元に…
(深夜に俺と菫は会話を続けていた。そして、凛が景の元に残った事も伝えると、何故か微笑みながら、菫は凛が残った事を知っていたかのように語っていた。その表情を俺はわからなかった為、珈琲を入れ直していると、菫は背後で静かに語り始めて来る)
…星川さんの奥様には大変申し訳ないのですが、凛ちゃんは駿君の事を気にかけながら、本音を隠していました。それは、星川さんに対する思いがあったんだと思います。ですが、それは決して同情なんかではなく…あの子の人を好きになる本質だと思います…
(キッチンから珈琲カップを二つ持って来て、一つを菫に手渡した。そして、俺は菫を安心させる様に、景の家で何があったのか、菫に語りかける)
星川優姫の思い残した言葉はしっかり伝えられたよ。景に…そして…駿にな…
(優しい眼差しで菫に語りかけると、菫は納得した様に笑みを浮かべて語り掛けて来てくれた。その言葉は胸を温めるのに十分な言葉だった)
…無理はしないで下さいね……貴方がいなくなったら、悲しむ者が…悲しむ方達が大勢いるんですからね…もう貴方は一人ではないんです。貴方の思いを、遺伝子を引き継いだ…私達の宝物がいるんですからね?
(菫の言葉を聞くと、俺は照れを隠すように菫に背を向けて窓の外を見る。すると、空から光の胞子が降り注いでいた。それを見ていると、菫が背中に頭をつけて小さく語り掛けて来る)
…少しは…澪さんの重荷を分けて下さい…私達…夫婦ではないですか…
(雪が降り積もり始めている街中を見つめながら、俺は背中にいる菫に語りかける)
…アホ…麗華を一人で産ませるって重責を背負わせた…俺が、お前に言うセリフだろうがよ…
(俺の言葉を聞いた菫は静かに涙を流しながら、微笑みを浮かべていた。そして俺の隣に立って手を握り締めて来る)
…共に…歩ませてくださいね…
(菫の言葉を聞いた俺は、笑みを浮かべていると、霊界の家族から祝福の拍手を受けていた。それを聞いていた菫は嬉し涙を流して前を向いていた)
…強くなったな…
(共に窓の外を見つめていた時だった。霊界から大きな暖かい波長と波が来て、俺の口を通して語り始める)
≪華やかな祝福の花々に包まれし我が吾子…其方等夫婦に…幸あらんことを…≫
(この波長は…あの爺さんだな…菫にもまだ語っていない…あの……)
ええ!!もちろんですとも…ねぇ、澪さん…
(現実に戻されるほどに力強い菫の言葉に、俺は握って来る手に力を込めて菫の手を力強く握りしめて、俺も力尽く語りかけた)
…ああ…来年は忙しくなるぞ…
(すると、背後で扉が開いた音に俺達は共に振り返ると、愛娘の麗華が寝ぼけ眼で毛布を引きずりながらリビングに出て来る。その姿に菫は慌てて駆け寄ると抱きかかえてあやし始めていた。その二人の姿を見守りながら、ポツリと語り掛ける)
また来年も宜しくな…
(菫と寝ぼけ眼の麗華はこちらに顔を向けて、笑みを浮かべて来てくれた。それが俺にとっては、とっても嬉しくて、昔神社にお参りに行った時の事を思い返していた)
第十四話書き終わりました




