第十三話 強き絆の始まり
…麗華は眠ったのか?
(クリスマスパーティーを終えると、珍しく酔い潰れた誠伯父さんを別室に寝かし付けた後に、俺はリビングのソファーで一人珈琲を飲んでいた。そして、菫は眠った麗華をベットに寝かし付け終えるとリビングに戻って来て、静かに俺の隣に腰掛けると、何も言わずに同じ様に珈琲を飲み始める)
…なにも聞かないんだな…俺が遅くなっていた…理由…
(菫は珈琲カップを両手でしっかり握りながら、ポツリと語り掛けて来てくれた)
…聞いたら…貴方は語って下さるんですか?…貴方が帰って来なくて…どれだけ不安だったか…お分かりですか?…そんな時に…霊界の守護神の御父様から連絡が来たんです…貴方のお父様です!!
(菫の言葉を聞いた俺は、目を見開いて驚いていた。親父が菫に語りかけていてくれたんだなと、嬉しさと共に申し訳なさが込み上がって来た。だからこそ、俺は静かに語り始めた)
…霊界の親父に昔言った事があるんだ…あんたの息子と名乗って俺はいいのかって…そしたら…あの親父は…もちろんと、素直に俺の気持ちを受け入れてくれた…その時に…俺は本当にうれしかった…神と名乗る者達にすら忌み嫌われていた。俺にとっては神も悪霊も同じだった…でも、あの親父に出会って、霊界に俺の家族と呼べる大事な宝物が出来たんだ…
(隣に座る菫は何も言わずに無言で聞いていてくれた。あの親父と会話したのなら、わかるはずだ。どれだけあの親父が暖かく大きな背中を持っているか、そしてきっと、泣く吾子をほっておくことなど出来ぬであろう、と言っていたに違いない)
その…大事な家族との絆を…侮辱した者がいてさぁ…昔…お前達と出会う前…に付き合っていた女と帰りに偶然会ったんだ…その時に…同じ事を言われてね…それで気が付いたら昔住んでいた家の前にいた…そこで親父達と話をして来た…だから、ごめんな…菫、心配かけて…
(珈琲カップを置いてから、俺は菫に向き直って静かに頭を下げていた。謝罪と共に深き感謝を込めて頭を下げ続けていた。暖かく…お帰りなさい、と言ってくれた菫達の言葉が、本当に嬉しかった)
……もう良いんです…貴方が無事に帰って来て下さった…それだけで私は満足ですから…
(すすり泣きながら、懸命に言葉を発して来てくれる菫の言葉が嬉しく、俺も涙を溢し始めていた)
第十三話書き終わりました




