第八話 菫の花を見守る者達
(南雲本家への連絡を終えた俺は、愛娘の麗華と手を繋いだまま、居間に向かおうとした時に玄関から天河村の有権者達が大勢入って来ていた。厳の爺さん直々の御前会議の通達は早い物だった様だ。その中には、北条家、西野家の当主達も含まれていた。その方達に向けて、俺は頭を深々と下げて出迎えるだけしか出来なかった)
君が、菫ちゃんの待っていた男か…
(頭を下げ続けていると、有権者のお一人が俺に語りかけて来た。その言葉に俺はゆっくりと頭を上げて、相手の瞳を真剣に見つめた)
俺はあいつがこの子を一人で産んでいた事も知らなかった、無責任な親です。でも、あいつとこの子を、そして憐の爺さんとの約束を果たす為にも、俺はこの村に残ります
(麗華の手を握り締めながら、有権者達に向けて臆すること無い表情で俺は応えた。その言葉に有権者達は厳しめな表情で語り掛けて来た)
わしら全員で、お主の事を見極めさせてもらう。この天河村の宝、東雲菫の夫となる男を、わしら全員がお主の見極め人となる…。あの娘を悲しませる様な事が再び遭った際は、わしらがお主を決して許さぬ…それを肝に命じておけ…
(有権者の一人は言葉を放った後、全員を引き連れて御前会議の場に向かって行った。残された俺と麗華の背後では、菫の母、小百合が微笑みを浮かべながら俺と麗華の後ろ姿を見つめていた)
忙しくて中々書けませんでした。
第八話をようやく書き終えました。