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華やかな神々と人々の庭園  作者: 浅葱
第三部 過去から未来へ語り継がれる蓮の花
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第八話 村人達からの華やかな祝福の拍手 

(爺さんを見送った後、俺と婆さん二人だけ洞窟に残り、菫には村に降りて救急隊員達を呼んで来てもらった。その間、俺は婆さんと昔話をしていた)


へぇ…婆さん、爺さんの従姉妹だったのか?

(使用人の婆さんとしか知らなかった。俺は初めて婆さんの名前を聞いて驚いていた。それじゃ貴を養子縁組に送り出した家は、婆さんの実家の方だったんだなと納得していた)


私は…憐様、小夜様、星様、耀様…あのお方達が羨ましかったのです。あの方達は常に光を村に注ぎ込んでくれていました。そんな方達の輪に私も入りたくて、憐様の使用人としてお傍に仕えておりました…

(婆さんは、濡れたハンカチで爺さんの顔についた埃を優しく拭き取りながら、婆さん自身の想いを俺に語ってくれた)


憐様の最期を看取って下さり…誠にありがとうございました…

(婆さんは爺さんの遺体から離れると、俺に向かって頭を深々と下げて来た。本当にこの村に来てから驚きの連続だった。人の心はこんなにも暖かいものだったんだなと、親身に受け止めていた時だった。外が騒がしくなって来た)


ようやく来たみたいだぜ…これで婆さん、爺さんを屋敷に連れて帰れる…

(ゆっくり立ち上がると、婆さんの手を掴んで隊員達が来るのを待っていた)



澪さん!!皆さんをお連れ致しました…

(その言葉に俺は不思議に思い、婆さんと共に洞窟の外に出ると、其処には村人達が大勢集まっていた)


これはどういう事だ!?

(疑問を抱いていると、救急隊員達が急いで憐の爺さんの元に向かって行った。そして死亡確認とその他諸々の事を隊員達がし出すと、洞窟の外にいた村人達は、一斉に泣き始めていた)


…お爺様は、本当は嫌われてなんかいなかったんですね。誰よりもこの村を守りたい思いは、皆様に伝わっていたんですね…

(村人達の中には東雲家の者達、北条家の者達も来ていた。全員、爺さんを想い泣いている事に隣にいた婆さんは、顔を伏せて泣き始めていた)


なにが…わしは嫌われ者でよいだ…くそ爺が…こんなに慕われて置いてよく言うぜ…

(隣にいた菫は、俺の手を黙って握って来た。そして救急隊員達は担架に爺さんの遺体を布で覆って乗せて、洞窟から出て来た。すると、俺も含めた全員は手を合わせて、爺さんの事を見送った。その時だった。村人の一人が大声を上げて語り掛ける)


ありがとう!!天河村を守ってくれて…本当にありがとう…

(その声につられる様に村人達全員、爺さんの遺体に向かって語り掛けていた。そして静かに、山の神々からも声が届いていた)


≪西野憐よ、其方に幸、あらんことを…≫

(その声と共に、霊界の家族達からも爺さんに向けて、祝福の拍手が送られ、その拍手は暫く鳴りやまなかった)

第八話書き終わりました。

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